ニュース速報
ワールド

米軍の海上ドローン計画、試験中に事故相次ぐ 中国念頭に開発

2025年08月21日(木)09時46分

 米海軍が開発を進める自律型海上ドローン(無人艇)が困難に直面している。写真は自律偵察艇計画を視察するジム・キルビー海軍大将。6月18日、ボルチモアで撮影。米海軍提供(2025年 ロイター)

David Jeans

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米海軍が開発を進める自律型海上ドローン(無人艇)が困難に直面している。カリフォルニア沖で先月行った航行テストで1隻が別の無人艇に衝突・沈没していたことが、ロイターが入手した動画で分かった。

この事故はこれまで明らかになっていなかった。関係者によると、これらの無人艇は米防衛企業サロニックとブラックシー・テクノロジーズが製造したという。

また、その数週間前の試験中にもブラックシー製の無人艇が突然加速し、転覆した支援船の船長が海上に投げ出される事故が起きていた。

事情に詳しい関係者によると、どちらの事故もソフトウエアの不具合と人為的ミスに起因しているという。

米海軍、サロニック、ブラックシーはコメントを拒否した。

米軍高官らは、ウクライナ戦争における海上ドローンの影響力の大きさを踏まえ、中国による台湾侵攻の可能性を阻止するには、自律型の空中・海上ドローン群が必要だと繰り返し強調している。台湾も独自の海上ドローン隊の整備を始めている。

ウクライナで開発されている無人艇は座席のないスピードボートのような形で、武器や爆発物などを搭載可能。主に遠隔操作され、価格は25万ドル近い。

一方、米国は人間の指揮なしで集団で移動できる自律型艦隊の構築を目指している。1隻当たり数百万ドルと高額で、より野心的な取り組みと言える。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:英の根強い物価高に中銀が懸念強めるか、8月に

ワールド

NZ、米社製ヘリとエアバス機を16億ドルで購入へ 

ビジネス

マクロスコープ:不動産売買規制、熱帯びる議論 東京

ワールド

米関税が成長の足かせ、インフレ見通し穏やか=インド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 5
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 10
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中