インド7月CPI、前年比1.55%に伸び鈍化 8年ぶりに中銀目標下回る

インド政府が12日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.55%と、野菜や豆類など食品価格の下落を背景に8年ぶりにインド準備銀行(中央銀行)の目標水準を下回った。2023年8月、アーメダバードのマーケットで撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
Nikunj Ohri
[ニューデリー 12日 ロイター] - インド政府が12日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.55%と、野菜や豆類など食品価格の下落を背景に8年ぶりにインド準備銀行(中央銀行)の目標水準を下回った。前月の2.10%上昇から伸びが縮小し、2017年6月以来の低水準となった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は1.76%上昇だった。インド中銀は物価目標の許容範囲を2─6%としている。
食品は1.76%低下した。前月は1.01%低下(改定値)だった。
インド統計局は食品やエネルギーなどの変動が大きい品目を除いたコアインフレ率を発表しないが、エコノミストは4─4.12%と、前月(4.4─4.5%)から低下したと試算している。
バローダ銀行のチーフエコノミスト、マダン・サブナビス氏は「インフレ率は予想通りだった」とし、インド中銀の政策決定への影響は限定的との見方を示した。
トランプ米大統領は先週、インドがロシア産原油の購入を続けているとして、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名。インドへの関税率はこれまでに発表されていた25%の相互関税に上乗せされ最大50%と、米国の貿易相手国の中でも非常に高い水準となる。インド政府は、同国から米国に輸出される商品の約55%が関税の対象になると見積もっている。