プーチン氏、対ウクライナ姿勢変えず 米制裁期限近づく

ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナとの和平交渉を望むものの、戦闘はロシアに有利に進展していると主張し、早期の停戦合意にはこだわらないとする姿勢に変わりがないことを示唆した。停戦合意に応じなければトランプ米政権がロシアに制裁を課すとする期限が近づいている。写真は8月1日撮影(2025年 ロイター/Sputnik/Gavriil Grigorov/Pool via REUTERS)
[モスクワ 1日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は1日、ウクライナとの和平交渉を望むものの、戦闘はロシアに有利に進展していると主張し、早期の停戦合意にはこだわらないとする姿勢に変わりがないことを示唆した。停戦合意に応じなければトランプ米政権がロシアに制裁を課すとする期限が近づいている。
プーチン氏は、ロシア北西部カレリア共和国のラドカ湖でベラルーシのルカシェンコ大統領と会談後、並んで記者団の取材に対応した。米政権による制裁期限には直接言及しなかったものの「失望はすべて過大な期待から生じる」とした上で、「平和的に問題に取り組むには詳細な協議が必要だ。公の場ではなく、交渉プロセスの中で冷静に行わなければならない」と述べた。
これまでのウクライナとの3回の和平交渉で一定の成果が得られたとし、交渉の継続を期待していると述べた。ただ、ウクライナは即時停戦を求める一方、ロシアは最終的で持続可能な解決を望んでおり、折り合っていない。ウクライナとの戦闘ではロシアが攻勢にあると主張し、7月31日にロシア国防省が発表した要衝チャシフヤールの制圧に言及した。一方、ウクライナ側はこれを否定している。
ウクライナ政府はロシアの交渉団には重要な決定を下す権限がないと指摘。ウクライナのゼレンスキー大統領は1日にXで、プーチン氏との直接会談をあらためて求めた。ロシアは交渉団が合意した内容を承認する場合にのみ、首脳会談を開くとしている。
トランプ米大統領は、早期停戦に応じようとしないプーチン氏に失望や苛立ちを示し、8日までに合意に応じなければ、新たな制裁措置を講じる意向を表明している。