米の対豪関税は10％に据え置き、ＮＺは15％に引き上げ

オーストラリアのファレル貿易相は１日、米国の相互関税について、オーストラリアよりも低い水準に設定している国はないとホワイトハウスが確認したとし、トランプ大統領がオーストラリア製品に対する１０％の基本税率を据え置いたことを示唆した。写真は６月５日、フランスのパリで撮影（２０２５年　ロイター/Abdul Saboor）

Renju Jose　Lucy Craymer

[シドニー／ウェリントン １日 ロイター] - トランプ米大統領がオーストラリアに対する関税率を１０％に据え置いたことを受け、ファレル豪貿易相は１日、オーストラリア製品は米市場でより競争力を増し、輸出の拡大につながるとの見方を示した。

トランプ大統領は７月３１日、６９の貿易相手国・地域からの輸入品に１０─４１％の相互関税を課す大統領令に署名した。

ファレル氏はアデレードで記者団に対し「今回の決定が意味するのは、他の国々に対する全ての変更を踏まえると、オーストラリア製品が米市場においてより競争力を持つようになったということだ」と強調。

「われわれこの状況を最大限活用して、全ての輸出業者を支援し、輸出拡大につなげる」と述べた。

一方、隣国ニュージーランド（ＮＺ）に対する米国の関税は、４月に発表された１０％から１５％に引き上げられた。ニュージーランドのマクレイ貿易相は、米国との話し合いを望んでいると述べた。

オーストラリアは、米国が通常貿易黒字を計上している数少ない国の一つ。米通商代表部（ＵＳＴＲ）のデータによると、２０２４年の米国の対豪貿易黒字は１７９億ドルで前年比１．６％増加した。

オーストラリアは先週、米国からの牛肉輸入規制を緩和した。これによりトランプ大統領との貿易交渉が円滑になる可能性が指摘されたが、アルバニージー首相はこの決定は以前から検討されていたもので、貿易交渉とは関係ないと述べていた。