中国外相、レアアース巡る欧州の懸念を一蹴

7月3日、中国の王毅外相(写真)は同国のレアアース(希土類)輸出規制に欧州が懸念を示していることについて、規制に基づく申請があれば欧州のニーズは満たされると発言、軍民両用(デュアルユース)品の輸出管理は標準的な慣行だと述べた。北京で撮影(2025年 ロイター/Nadja Wohlleben)
[ベルリン 3日 ロイター] - 中国の王毅外相は3日、同国のレアアース(希土類)輸出規制に欧州が懸念を示していることについて、規制に基づく申請があれば欧州のニーズは満たされると発言、軍民両用(デュアルユース)品の輸出管理は標準的な慣行だと述べた。
訪問先のベルリンでドイツのワーデフール外相と共同会見した際に見解を示した。王氏は今月の欧州連合(EU)・中国首脳会議を控え、欧州を歴訪中。
王氏は「中国と欧州の間で、もしくは中国とドイツの間で、レアアースがこれまで問題になったことはなく、現在もなっていない。今後もならない」とし「合法的な申請書が提出されれば、欧州とドイツの通常のニーズは満たされる」と述べた。
ワーデフール氏は、中国の輸出規制が「重大な懸念」を引き起こしており、信頼できる貿易相手国としての中国のイメージがドイツ国内で悪化していると指摘。「緊張緩和が必要であり、われわれは持続可能な共同の解決策を模索している」と述べた。
ただ、王氏は、EU・中国首脳会議の前に輸出規制を巡って合意が成立するかとの質問に「これは中国・欧州間の問題ではない。デュアルユース品の管理は通常の慣行だ。中国とドイツの双方にその権利がある」と発言。中国商務省が通常の承認を可能な限り迅速に処理する手続きをすでに導入していると述べた。
ワーデフール氏は、会談ではロシアのウクライナ侵攻、台湾、中東危機についても議論したとし「イランについて、中国が建設的な役割を果たせると信じている」と語った。