アマゾン河口油田開発、エクソンモービルや中国石油などが権益獲得

6月17日、 ブラジル北部にあるアマゾン川河口付近の沖合のフォス・ド・アマゾナス海底盆地での油田開発の競売が実施され、米石油大手のエクソンモービルとブラジルのペトロブラスが参加する2つのコンソーシアムが計10鉱区の権益、米シェブロンが主導して中国石油天然気集団公司(CNPC)も参加するコンソーシアムは9鉱区の権益をそれぞれ獲得した。写真はエクソンモービルのロゴ。パリ近郊の展示会場で3月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
[リオデジャネイロ 17日 ロイター] - ブラジル北部にあるアマゾン川河口付近の沖合のフォス・ド・アマゾナス海底盆地での油田開発の競売が17日に実施され、米石油大手のエクソンモービルとブラジルのペトロブラスが参加する2つのコンソーシアムが計10鉱区の権益、米シェブロンが主導して中国石油天然気集団公司(CNPC)も参加するコンソーシアムは9鉱区の権益をそれぞれ獲得した。
原油価格の上昇も追い風となり、ペトロブラス、シェブロン、エクソンモービルの株価は17日にそれぞれ2%超上昇した。
今回の競売は、アマゾン沿岸部での原油探鉱が現地の生態系や先住民の生活を脅かすとして反発を招いていた。
一方、フォス・ド・アマゾナス盆地はエクソンモービルが巨大油田を開発中のガイアナ近郊と同じ地質のため、原油の採掘で最も有望視されている地域となっている。
ブラジルのシルベイラ鉱山・エネルギー相は、フォス・ド・アマゾナス盆地での油田開発はブラジル北部の貧困を減らす「勝利の切符」と呼んで、「ガイアナで既に操業しているシェブロンとエクソンモービルという米企業の関心は、わが国の潜在力が巨大であることを示している」と歓迎するコメントを出した。
エネルギー調査会社リスタッド・エナジーのアナリスト、フラビオ・メンテン氏は「(競売での)入札は成功し、不確実な中でも赤道海域の探鉱に対する企業の関心を示した」と指摘した。
ブラジルは、英シェルとノルウェーのエクイノール、オーストラリアのカルーン・エナジーなどが取得したサントス盆地とペロタス盆地の海域を含む計34鉱区について総額9億8900万レアル(1億8100万ドル)の契約金を徴収する。うちフォス・ド・アマゾナス盆地での契約額は計8億4400万レアルを占めた。
一方、先住民やアラヤラ・インスティテュートなどの非営利団体(NPO)は「破滅的な入札」だと批判し、競売会場の外で抗議した。
グリーンピース・ブラジルの海洋コーディネーター、マリアナ・アンドラーデ氏は「新たな油井の掘削は自然災害のリスクを高め、気候変動危機を悪化させ、不平等性を広げるだろう」とのコメントを出した。