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イスラエル・イラン紛争6日目に、トランプ氏「無条件降伏」要求

2025年06月18日(水)09時48分

 イランとイスラエルは紛争開始から6日目となる3月18日も互いにミサイル攻撃を継続している。写真はテヘランの市街地から立ち上る煙。ソーシャルメディアに投稿された動画より(2025年 ロイター)

Steven Scheer Steve Holland Parisa Hafezi

[エルサレム/ワシントン/ドバイ 18日 ロイター] - イランとイスラエルは紛争開始から6日目となる18日も互いにミサイル攻撃を継続している。トランプ米大統領は前日、イランに「無条件降伏」を要求し、米国の忍耐は限界に近づいていると警告した。

イスラエル軍によると、18日深夜にイランから2発のミサイルが発射され、テルアビブ上空で爆発音が聞こえた。

イスラエルは、テヘラン周辺住民に対し軍事施設への攻撃に備えて避難するよう呼びかけた。イランのニュースサイトによると、テヘランと西方のキャラジで爆発音があったという。

トランプ氏は自身の交流サイトで、「われわれは、いわゆる『最高指導者』がどこに隠れているか正確に把握している。容易な標的だが、そこにいる限り安全だ。少なくとも今のところは、われわれは排除(殺害!)するつもりはない」などとし、その3分後に「無条件降伏!」とも投稿した。

ホワイトハウス当局者によると、トランプ氏は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談した。

スターマー英首相は、カナダで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で演説し、米国が紛争に参戦する兆候はないと述べた。

ホワイトハウス当局者によると、トランプ氏は17日午後、国家安全保障会議(NSC)で中東紛争を巡り協議したという。内容は分かっていない。

こうした中、米軍は中東地域により多くの戦闘機を配備し、他の軍用機の配備期間を延長していることが、複数の米当局者の話で分かった。イスラエルとイランの軍事衝突を受け、中東地域での米軍の戦力を増強するという。

<イランの影響力弱まる>

イスラエルの攻撃で最高指導者ハメネイ師の軍事・安全保障顧問らが殺害されたが、イランの意思決定プロセスに詳しい5人の関係者によると、これにより指導部が空洞化し、戦略的ミスのリスクが高まっている。

ファルス通信は、イランのサイバーセキュリティー司令部は、当局者らによる通信機器や携帯電話の使用を禁止したと報じた。イランメディアによると、イスラエルがイランのデジタルインフラに対して「大規模なサイバー戦争」を開始したという。

イスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲で始まったガザ紛争以来、イスラエルはハマスのみならず、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラ、イエメンのフーシ派などにも攻撃を重ねた。それに伴い、中東地域でのハメネイ師の影響力は弱体化している。イラン盟友だったシリアのアサド前大統領も追放された。

イラン当局によると、今回の紛争で民間人を中心に224人が死亡。イスラエルは民間人24人が死亡したと発表した。

ロイター
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