米石油業界M&A、23年の最盛期から急減 不透明感で意欲減退

5月20日、米石油業界のディールメーキングは2025年に入って鈍化しており、年内は低調が続くと予想されている。写真はエクソンモービルのロゴ。パリ近郊で3月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
Tanay Dhumal Arunima Kumar
[20日 ロイター] - 米石油業界のディールメーキングは2025年に入って鈍化しており、年内は低調が続くと予想されている。買い手は過去の買収の価値最大化に注力したり、原油価格の低迷や貿易の不透明感から買収意欲を抑えたりする傾向にある。
石油会社が過去3カ月間に買収に費やした金額は170億ドルで、1440億ドルに上った23年第3・四半期の最盛期から急減した。
ベンチマークとなる米WTIは、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の増産や貿易摩擦の影響で、トランプ米大統領が就任する直前の1月の1バレル=約78ドルから、最近では約55ドルに下落している。
ダイヤモンドバック・エナジーのケイス・ヴァントホフ最高財務責任者(CFO)は、最近の決算説明会で「ノイズやボラティリティーが多く動きにくい」と話した。
エンベラスのプリンシパルアナリスト、アンドリュー・ディットマー氏は「(ディール)活動は、25年上半期の残りは穏やかなものになりそうだが、下半期には持ち直す可能性がある。特に、米国が景気後退に陥る確率を下げるような貿易取引が発表されれば」と述べた。