ニュース速報

ワールド

韓国政府、サムスントップ李副会長に特赦 「危機克服に必要」

2022年08月12日(金)13時58分

 8月12日、韓国の尹錫悦大統領は、贈賄罪などで有罪判決を受けたサムスン電子の李在鎔副会長(写真中央)を特別赦免(恩赦)にすると発表した。写真はソウルで昨年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Hong-Ji )

[ソウル 12日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領は12日、贈賄罪などで有罪判決を受けたサムスン電子の李在鎔副会長を特別赦免(恩赦)にすると発表した。法務省は「国家経済危機」を克服するために同氏が必要と説明した。

李氏は18カ月間服役した後すでに仮釈放されており、赦免は象徴的な意味合いが強い。しかし、より自由なビジネス活動が可能になり、サムスンが大きな動きに出る可能性があるとアナリストはみている。

韓東勲法相は記者会見で「国家的経済危機の克服が急務であるため、積極的な技術投資と雇用創出を通じて成長をけん引できる実業家を慎重に選んで赦免を与えた」と述べた。

ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長も赦免の対象となった。同氏は贈賄罪で2年半の有罪判決を受けている。

サムスン関係筋は主要なM&A(合併・買収)や投資案件は李氏だけが決定を下すと述べており、アナリストは同氏が復帰した時点で動きがあると予想している。

調査会社リーダーズ・インデックスのパク・ジュグン代表は「サムスンが進めていた大型M&Aや投資などのプロジェクトは、今回の赦免と連動する可能性がある。これから発表される可能性が高い」と語った。

李氏はより自由に経営に参加できるようになったが、詐欺と株式操作を巡る裁判が進行中のため、法的リスクはまだ残っているとの見方もある。

ソウル大学経営大学院のイ・ギョンムク教授は「この裁判で有罪となった場合、李氏は再び禁錮刑を受ける可能性がある」と指摘した。

*カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中