ニュース速報

ワールド

米特別検察官、ドイツ銀にトランプ大統領の口座情報求める=関係筋

2017年12月06日(水)08時31分

 12月5日、関係筋が明らかにしたところによると、米大統領選挙へのロシア介入疑惑を捜査するモラー特別検察官はドイツ銀行に対し、トランプ大統領(写真)と家族の口座に関する情報提出を求めた。10月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque/File Photo)

[フランクフルト/ワシントン 5日 ロイター] - 米大統領選挙へのロシア介入疑惑を捜査するモラー特別検察官は、ドイツ銀行に対し、トランプ大統領と家族の口座に関する情報提出を求めた。1人の関係筋が明らかにした。

ドイツ銀は数週間前、特定の取引に関して情報提供を求める召喚状を受け取ったという。

トランプ氏が関係する不動産事業に多額の融資を行った経緯があるドイツ銀は5日、「捜査には全面的に協力する」との声明を出したが、それ以外はコメントしなかった。

トランプ氏の弁護士であるジェイ・セクロー氏はロイターに対し「召喚状は発行されていない」と指摘。「特別捜査官が大統領に関連した金融取引の記録提出を命じたとの報道は、誤報であることを確認した」と主張した。

モラー氏の捜査に詳しい米当局者は、召喚状が出された理由の1つは、ドイツ銀行がトランプ氏に対する債権の一部を、現時点で米国と欧州連合(EU)の対ロシア制裁の対象となっているロシアの銀行に転売したかどうかを見極めることにあると説明した。

ロシアの諜報活動に詳しい別の米当局者は、仮にロシアの銀行がトランプ氏に対する債権を保有すれば、ある程度の影響力を行使できる可能性があると話した。

この当局者は「疑問として浮かび上がるのは、なぜトランプ氏と側近が外交の最優先事項としてロシアとの関係改善を進めることに意欲を示したのかや、その中で個人的な考えが少しでも働いたのかどうか、ということにある」と述べた。

一方でドイツ銀行に近い関係者は、同行がトランプ氏のロシアとの金融取引について調査したと話した。

こうした中、トランプ大統領は5日、ホワイトハウスでの写真撮影に際し、モラー氏がドイツ銀行に情報提供を求めたのかとの記者団からの問い掛けに返答しなかった。

米政府倫理局(OGE)が発表した資料によると、トランプ氏はドイツ銀行傘下のドイチェ・バンク・トラスト・カンパニー・アメリカズから少なくとも1億3000万ドルを借り入れている。

このうち5000万ドル超はトランプ氏が首都ワシントンで取得した旧郵便局の不動産物件、5500ドル余りはフロリダ州のゴルフコース、2500万ドルはシカゴのトランプ・ホテルおよび集合住宅に対して貸し出された。

これらの融資は2012年に貸し出され、2023年から24年にかけて満期を迎える。

*内容とカテゴリーを追加します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米移民当局の日本人拘束を確認、適切に対応=林官房長

ビジネス

アングロ・アメリカン、加テック・リソーシズと経営統

ビジネス

三菱電機、制御・運用技術セキュリティーの米企業を1

ワールド

マクロスコープ:自民総裁選、カギ握る「108票」の
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    エコー写真を見て「医師は困惑していた」...中絶を拒否した母親、医師の予想を超えた出産を語る
  • 4
    石破首相が退陣表明、後継の「ダークホース」は超意…
  • 5
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 6
    ドイツAfD候補者6人が急死...州選挙直前の相次ぐ死に…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    もはやアメリカは「内戦」状態...トランプ政権とデモ…
  • 9
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 10
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 10
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中