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トランプ氏が捜査から手を引くよう要請、「忠誠が必要」=コミー氏

2017年06月08日(木)09時14分

 6月7日、コミー氏は捜査から手を引くようトランプ氏(写真左)から要請があったと明らかにした。左はミシガン州で3月、右はワシントンで5月撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst/Kevin Lamarque/File Photos)

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領に解任されたコミー前連邦捜査局(FBI)長官は7日、フリン前大統領補佐官の捜査から手を引くようトランプ氏から要請があり、「忠誠が必要だ、忠誠を期待している」と言われたことを明らかにした。

翌日行う上院特別情報委員会での証言内容が、委員会のウェブサイトに公開された。

それによると、大統領執務室で開催されたテロ対策に関する2月14日の会合で、トランプ大統領はコミー氏以外の出席者を全員退席させた後、フリン氏に関して切り出し、「彼はいいやつだ。捜査から手を引くことを望む」と述べた。

またトランプ氏は3月30日、コミー氏に電話をかけ、自身とロシアには何も関係がないと伝えた上で、ロシア捜査を巡る「疑念を晴らすために何ができるか」と尋ねたと記されている。

コミー氏は電話で、FBIは大統領を個人的に捜査しているわけではないと伝えた。同氏は「大統領は『この事実を明らかにする必要がある』と繰り返し私に語った」としている。

コミー氏は3度、トランプ氏は捜査されていないと伝えたとしている。

またトランプ氏は1月27日の夕食会の席で、コミー氏に対し、FBI長官のポストにとどまりたいのかと尋ねた。コミー氏は「FBIは行政機関において伝統的に独立した地位にあるのに、(トランプ氏の発言を聞いて)非常に不安になった」と述べた。

<米大統領「疑いが完全に晴れた」>

トランプ大統領が選任した外部弁護士のマーク・カソウィッツ氏は7日、声明を発表し、コミー前FBI長官の議会証言原稿で、大統領がロシアによる米大統領選介入疑惑に関する捜査対象ではなかったことが確認され、大統領は満足していると述べた。

同氏は「コミー氏が私的な書面でようやく、大統領がロシア疑惑を巡る捜査対象ではなかったと公に確認したことを大統領は喜んでいる」とした上で、「大統領は完全かつ完璧に疑いが晴れたと感じている」と述べた。

<専門家の見方>

一部の法律専門家は、コミー氏の証言はトランプ氏が司法妨害を行った証拠として利用できる可能性があるとの見解を示している。

サバンナ・ロー・スクールのアンドリュー・ライト教授は「大統領が捜査を打ち切るために、あらゆる手を尽くしていたことがわかる」と指摘した。

一方、フォーダム大学ロースクールのブルース・グリーン教授は、トランプ氏が司法妨害を意図したと断定するのは難しいだろうと分析。トランプ氏側は「発言はフリン氏の人柄を保証したもので、捜査が大統領の職務履行の妨げになっているとの懸念を伝えただけ」と主張できる可能性があると指摘した。

*内容を追加します。

ロイター
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