ニュース速報

ワールド

共和トランプ氏が3勝、民主はサンダース氏とクリントン氏が各1勝

2016年03月09日(水)19時18分

 3月8日、共和党の大統領選候補者選びで同日行われたミシガン州予備選では、不動産王のドナルド・トランプ氏が勝利した。トランプ氏はこの日、ミシシッピ州予備選でも勝利した。写真はフロリダ州で撮影(2016年 ロイター/Joe Skipper)

[デトロイト 8日 ロイター] - 複数の米国メディアは、大統領選候補者選びで8日行われた共和党のハワイ州党員集会で、不動産王のドナルド・トランプ氏が勝利したと報じた。

トランプ氏はミシガン州とミシシッピ州でも勝利しており、この日4州中3州を制したことになる。残りのアイダホ州ではテッド・クルーズ上院議員が勝利を収めた。

15日にはオハイオ州やフロリダ州などで予備選が予定されており、トランプ氏のこの日の勝利は、党内からの反対圧力が強まっている同氏にとって重要なものとなる可能性がある。

そしてミシガン州でのサプライズを目指していたオハイオ州知事のジョン・ケーシック氏、マルコ・ルビオ上院議員にとっては指名争いにおける挫折となった。

来週オハイオ州やフロリダ州などで勝利した場合、ルビオ氏やケーシック氏が指名争いから撤退することも考えられ、クルーズ上院議員がトランプ氏を追撃することも難しくなりそうだ。

トランプ氏はこの日、自動車産業など製造業の多い中西部ミシガン州と、南部ミシシッピ州で勝利を収めたことになり、地理的にも支持を広げた。出口調査によるとキリスト教福音主義派や共和党員に加えて、現政権に不満を持っている無党派層からも幅広い支持を集めた。

投票後の会見でトランプ氏は、指名を争っているルビオ氏らに勝ち目はないと嘲笑。特に、5日の予備選では互角の戦いとなったクルーズ氏に対しては「テッドは厳しい時期を迎えるだろう。私が彼に負けたことはめったにない」と敵意をむき出しにした。

保守派の草の根運動「茶会党(ティーパーティー)」の設立者、マーク・メクラー氏は「共和党主流派は断末魔の苦しみを味わっている。残っている同党候補者は全員が反主流派だ」と指摘。トランプ氏のミシガン州での勝利について「産業を国内に呼び戻そうとするポピュリスト的発言が支持につながった」との見方を示した。

一方民主党では、ミシガン州予備選でバーニー・サンダース上院議員が僅差で勝利し、ヒラリー・クリントン前国務長官にショックを与えた。

サンダース氏はフロリダでの記者会見で、ミシガン州の結果は、同氏が勝利する可能性をないものとみていた世論調査や評論家の意見を否定するものだと主張した。予備選に先立つ世論調査では、クリントン氏が2桁でリードしていた。

同日に行われたミシシッピ州予備選ではクリントン氏が勝利したが、長期戦となる指名者争いでサンダース氏が地歩を固めた。同州はクリントン氏が支持基盤とするアフリカ系米国人の有権者数が多く、出口調査ではアフリカ系米国人からの支持率は90%に上った。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

プーチン氏、5月に訪中 習氏と会談か 5期目大統領

ワールド

仏大統領、欧州防衛の強化求める 「滅亡のリスク」
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中