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ドイツ地方選控え、反移民政党に勢い 3州とも支持3位=世論調査

3月3日、ドイツでは国内3州の地方選挙を控え、反移民の立場を表明している右派政党「AfD」が勢いを増している。写真は同党の選挙ポスター。1日撮影(2016年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[ベルリン 3日 ロイター] - ドイツでは国内3州の地方選挙を控え、反移民の立場を表明している右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢いを増している。1州では20%近い票を集め、別の1州ではメルケル政権の連立相手である社会民主党(SPD)と肩を並べる見通しで、難民危機が主要政党に影を落としていることがあらためて浮き彫りとなった。
東部1州(ザクセン・アンハルト州)、西部2州(バーデン・ビュルテンベルク州、ラインラント・プファルツ州)で3月13日に投票が行われる。ドイツ国内で選挙が行われるのは昨年5月以来で、昨年だけで110万人流入した移民に対する民意を知る試金石となる。
選挙でメルケル首相率いる保守陣営が苦戦すれば、移民受け入れに積極的な政策について転換を迫る圧力が高まる見込み。1年半後の総選挙では、首相が4期目を目指すとみられている。
ドイツの公共放送ARDが委託した世論調査によると、ザクセン・アンハルト州でAfDが19%の支持を集め、首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)、左派党に次ぐ3位に浮上。SPDは後退した。
高級車メーカーのポルシェやダイムラーが拠点を置くバーデン・ビュルテンベルク州では、AfDの支持率が13%となり、3位でSPDに並んだ。首位は緑の党の32%、2位はCDUの28%。同州では現在、緑の党がSPDと連立政権を組んでいる。
隣接するラインラント・プファルツ州では、AfDの支持率が9%にとどまるが、CDU、SPDに次いでやはり3位となった。
これら3州の人口は計1700万人で、ドイツの人口8100万人の5分の1以上を占める。
AfDの台頭が既存政党への支持を切り崩す格好となっており、選挙後の安定した連立政権の樹立が困難となる可能性もある。