英債券市場の非銀行金融機関、危機への備え不十分＝英中銀委員

　１０月２３日、英イングランド銀行（中央銀行、ＢＯＥ）のジョナサン・ホール政策委員は、英産業連盟（ＣＢＩ）で講演し、英国債市場で非銀行金融機関のような一部の参加者について、将来の危機に対する備えが不十分で救済措置が必要となる可能性が高まっていると警告した。写真は２０２４年９月、ロンドンで撮影（２０２５年　ロイター/Mina Kim）

David Milliken

[ロンドン ２３日 ロイター] - 英イングランド銀行（中央銀行、ＢＯＥ）のジョナサン・ホール政策委員は２３日、英産業連盟（ＣＢＩ）で講演し、英国債市場で非銀行金融機関のような一部の参加者について、将来の危機に対する備えが不十分で救済措置が必要となる可能性が高まっていると警告した。

ホール氏は金融政策委員会の外部委員で、ファンドマネジャーとゴールドマン・サックスのパートナーだった経験がある。

ホール氏は２００８年のような金融危機が再来するリスクがあるとし、当時はかつてない大規模な金融崩壊を防ぐために公的資金を注入して、銀行を救済しなければならなかったと述べた。その後、銀行規制が強化されたため、リスクのある投資活動が、規制の緩い英国外に拠点を置くヘッジファンドやマネーマーケットファンドのような非銀行金融機関に移行したという。

ホール氏は「英国の規制の対象外にありながら、英国債のような市場機能にとって重要性がますます高まっている非銀行金融機関が存在する。こうした金融機関は自己保険の水準が低い」と述べた。また「もし国民が、経営難に陥ったこうした金融機関を市場介入で支援すると認識すれば、世界金融危機で見られたような世論の反発が再び生じて、こうした金融機関に向けられる可能性がある」と付け加えた。