日経平均は最高値、一時1100円超高 米関税や業績への警戒緩和で

8月12日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比897円69銭高の4万2718円17銭と、5日続伸して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比897円69銭高の4万2718円17銭と、5日続伸して取引を終えた。米関税や企業業績に対する懸念が後退してリスクオンムードが広がり、日経平均は約1年ぶりに史上最高値を更新した。指数寄与度の大きい半導体株やハイテク株が堅調で、日経平均の上げ幅は一時1100円を超え、節目の4万3000円に迫る場面もあった。TOPIX(東証株価指数)も史上最高値を更新した。
日経平均は前営業日比277円高で寄り付いた後、上げ幅を広げ、年初来高値(4万2065円83銭=7月24日)を更新。その後すぐに昨年7月に付けた史上最高値(4万2426円77銭)を更新、TOPIXも最高値となった。後場に入ると一段と上昇し、一時1179円高となった。指数寄与度の大きいハイテク株が主導する形で指数を押し上げたが、内需株も堅調に推移し、プライム市場では6割近くの銘柄が値上がりした。ただ、買いが一服した後はやや上げ幅を縮小し、大引けにかけては4万2600円台を中心に一進一退となった。
市場では「米相互関税が15%に落ち着いたことで最悪の事態は免れたとの見方が広がっており、投資家心理が好転している」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。
フィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏は「これまでの株高局面では、一部の半導体関連銘柄が指数を押し上げるケースが多かったが、きょうは内需株の好業績銘柄も買われて、全体に買いが広がっている印象」と話している。高値を更新したことで株高のモメンタムは続きやすいとの見方が聞かれる一方で「今週発表される米経済指標の内容次第では調整が深まるリスクもあり、注意が必要」(国内運用会社・チーフ・ストラテジスト)との指摘もあった。
TOPIXは1.39%高の3066.37ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は6兆8640億2900万円だった。プライム市場指数は1.40%高の1578.22ポイントだった。東証33業種では、鉱業、銀行、情報・通信など26業種が値上がり。その他製品、石油・石炭製品、パルプ・紙など7業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.32%安の778.02ポイントと小幅に続落した。
個別では、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、レーザーテックが大幅上昇。フジクラも4%超高と堅調だった。12日に業績見通しの上方修正を発表した横浜ゴムは11%超高、前週末に決算を発表したサンリオはストップ高となった。
一方、NIPPON EXPRESSホールディングスは12%超安と大幅下落。前週末に業績見通しの下方修正を発表したオリンパスは5%超安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり964銘柄(59%)に対し、値下がりが600銘柄(36%)、変わらずが59銘柄(3%)だった。