米シティ、第2四半期は25%増益 市場の変動とM&Aで好調

米金融大手シティグループが15日発表した第2・四半期決算(6月30日まで)は、純利益が前年同期比25%増の40億ドル(1株当たり1.96ドル)となり、 LSEGがまとめたアナリスト予想(1.60ドル)を大きく上回った。2021年8月撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
Tatiana Bautzer Manya Saini
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米金融大手シティグループが15日発表した第2・四半期決算(6月30日まで)は、純利益が前年同期比25%増の40億ドル(1株当たり1.96ドル)となり、 LSEGがまとめたアナリスト予想(1.60ドル)を大きく上回った。
市場のボラティリティー(変動)が高まったことが追い風となり、トレーディング収益は16%の59億ドルと、2020年第2・四半期以来の高水準を記録した。
投資銀行業務は四半期の大半で低調だったが、6月には大型IPOや数十億ドル規模の買収案件が相次ぎ、回復の兆しが見られた。投資銀行手数料は13%増加し、銀行部門全体の収益は約19%増の19億ドルとなった。
株式資本市場手数料は転換社債およびIPOの好調により25%増加し、M&A助言手数料は52%増となった。
四半期収入は前年同期比8%増の217億ドル。サービス、ウェルスマネジメント、米国個人銀行の各部門で第2・四半期として過去最高を記録した。ウェルスマネジメント部門の収入は20%増、米国個人銀行部門はクレジットカードの利息収入増加により6%増加した。
同行は、ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)の下で収益性向上を目指す構造改革を進めている。
一方、リスク管理や統制、データガバナンスに関する長年の課題に対応するため、規制当局からの是正命令に基づく取り組みも継続中。上半期には211のアプリケーションを廃止し、85カ国で「大口かつ異常な送金」を検知する統制を強化したと説明した。