EVへの乗り換え意欲、欧州で米国より低下=英シェル調査

6月17日、英エネルギー大手シェルが発表した調査で、ドライバーは内燃エンジン車から電気自動車への乗り換えに消極的になっており、この傾向は米国より欧州で顕著であることが分かった。英国で2023年9月撮影(2025年 ロイター/Molly Darlington)
[ロンドン 17日 ロイター] - 英エネルギー大手シェルが17日発表した調査で、ドライバーは内燃エンジン車から電気自動車(EV)への乗り換えに消極的になっており、この傾向は米国より欧州で顕著であることが分かった。
調査は英国、中国、ドイツ、米国を含む各国のドライバー1万5000人を対象に実施。EVへの乗り換えを検討していると回答したドライバーの割合は、欧州は昨年の48%から41%に減り、米国は3ポイント少ない31%だった。
シェルのモビリティ・利便性部門の責任者デービッド・バンチ氏は「欧州の結果には驚いた」とし、「最大の参入障壁は車両のコストだ。航続距離への不安はなお残っているが、徐々に減っている」と分析した。EVはガソリン車と比べて平均価格が30%ほど高い。
充電設備の利便性については、公共設備で改善があったと回答したドライバーの比率が欧州は半数程度だったが、中国は74%、米国は80%だった。
公共充電施設はサービスが金額に見合っているとの回答は欧州では17%にとどまったが、中国は69%、米国は71%に達した。
シェルは充電設備7万5000カ所を展開。EV戦略の重点を自宅での充電ではなく、移動中に利用できる高速充電設備に置いている。主な市場は中国、英国、ドイツ、スイス、シンガポール、オランダ、米国。