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FRB、現在の焦点はインフレ抑制=サンフランシスコ連銀総裁

2025年05月30日(金)09時31分

 5月29日、米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁(写真)は、連邦準備理事会(FRB)が3月の予想通り、依然として年内に2回の利下げを行う可能性があるという見解を示した。写真は2023年8月、ワイオミング州ジャクソンホールで撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)

By Ann Saphir

[オークランド(米カリフォルニア州) 29日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は29日、連邦準備理事会(FRB)は当面金利を安定的に維持し、インフレ率が目標の2%に達する軌道に乗っていることを確認する必要があるという認識を示した。一方、FRBが3月の予測通り、依然として年内に2回の利下げを行う可能性があるという見解も示した。

オークランド・ロータリークラブでの講演後、ロイターのインタビューに応じた。

デイリー氏は「インフレ率が目標を上回り、どの程度の期間で2%に戻るか不透明である限り、インフレ率が焦点となる。労働市場が堅調だからだ」とし、物価の安定を維持するには緩やかに、あるいは適度に制約的な政策が必要だと述べた。

FRBは今月、政策金利を4.25─4.5%に据え置いた。デイリー氏はこの決定について、トランプ政権の通商政策などが経済に与える影響を評価する上での「積極的な」選択だと述べた。

デイリー氏は、今のところ経済は全般的に堅調だと指摘。「労働市場が弱まっている兆候はないか注視している。兆候はまだ見られないが、引き続き注視していく」とし、インフレ率が今後も緩やかに低下していくか、あるいは上昇に転じたり粘着性を維持したりする兆候にも注目していると語った。

経済指標では景気は減速しているものの大幅に悪化はしておらず、インフレも引き続き緩和していることが示されているとし、こうした状況などから、FRBはインフレ対策と景気浮揚のどちらかを選ばなければならないという難しい立場にはないという認識を示した。

「そのような状況では(FRBの予測のように)、2回の利下げは理にかなっているだろう。ただ、リスクの範囲はかなり大きい」と述べた。その上で、FRBの政策はこうしたリスクに対応する態勢が整っており、機敏に対応できるとした。

ロイター
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