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ECB、クレジット市場と株式市場に警告 「世界情勢から乖離」

2025年05月21日(水)17時40分

 5月21日、欧州中央銀行(ECB)は、金融安定報告を公表し、活況を呈しているクレジット市場と株式市場について、地政学や貿易を巡る不確実性に見舞われている世界情勢から「乖離している」ようだとの認識を示した。独フランクフルトで3月6日撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は21日、金融安定報告を公表し、活況を呈しているクレジット市場と株式市場について、地政学や貿易を巡る不確実性に見舞われている世界情勢から「乖離している」ようだとの認識を示した。

ECBは、投資家が予想以上の景気悪化リスクや、貿易摩擦激化のリスク、また予想されている金融緩和が実現しないリスクを過小評価している可能性があると指摘。

ECBのデギンドス副総裁は序文で「株式のバリュエーションは依然として高く、信用スプレッドも引き続き信用リスクと乖離しているようだ」と述べた。

ECBは関税が「大きな下振れリスク」だと指摘。貿易政策の不確実性を示す指数が1標準偏差上昇すると、4四半期後の成長率予測の中央値が0.15パーセントポイント低下すると推定。銀行株は6カ月間で10.4%押し下げられ、債券市場では借り入れコストが7ベーシスポイント(bp)押し上げられるとの見方を示した。

他のリスク要因としては、サイバー攻撃、プライベート市場への集中投資のほか、暗号通貨と伝統的金融のつながりが依然として乏しいながらも強まりつつあることを挙げた。

ロイター
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