カナダ、4月のインフレ率は1.7%に鈍化

カナダ統計局が5月20日発表した4月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は1.7%となり、3月の2.3%から鈍化した。写真はオタワのスーパーマーケットで果物や野菜を買う人々。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Patrick Doyle)
[オタワ 20日 ロイター] - カナダ統計局が20日発表した4月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は1.7%となり、3月の2.3%から鈍化した。エネルギー価格が下がったことが全体のインフレ率を押し下げ、ガソリン価格が18.1%、天然ガスも14.1%それぞれ下落した。
しかし、注目されているコアCPIのインフレ率が拡大したことで、次の利上げを検討している中銀は厳しい判断を迫られるとアナリストらはみている。
アナリストらによるCPIの市場予想は1.6%だった。カナダ銀行(中央銀行)が4月に示した予想は1.5%で、主に炭素税廃止と原油価格下落が価格を押し下げるとみていた。
一方、中銀が重視するコアCPIの2つのうちCPI中央値は3.2%と、2024年3月以来の高水準。3月は2.8%だった。
もう一つのCPIトリムも3.1%と、1年1カ月ぶり高水準。3月は2.9%だった。
昨年6月から7会合連続で利下げを実施してきた中銀は、4月16日の前回会合では政策金利の据え置きを決めた。6月4日に次回会合の結果を発表する予定で、トランプ米大統領による関税引き上げの影響を予測するのは難しいとしながらも、既に実施されている措置がカナダ経済に打撃を与えていると指摘した。
CIBCキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、アンドリュー・グランサム氏は「改めて経済が軟化している兆候を示した一方で(中略)コアCPIが拡大したことで中銀は厳しい決断を迫られる」と指摘した。
食品価格の上昇率は3.8%上昇し、3月の3.2%から拡大。4月の旅行ツアー価格は6.7%上がった。
一方、CPIの前月比は0.1%下げた。市場予想は0.2%下落だった。