FRB金利据え置き可能、貿易巡る緊張持続的に緩和なら=セントルイス連銀総裁

米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は20日、米中貿易摩擦の緩和後も米国の労働市場は弱まり、物価は上昇する可能性が高いとの見方を示した。2月撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[20日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は20日、米中貿易摩擦の緩和後も米国の労働市場は弱まり、物価は上昇する可能性が高いとの見方を示した。ただ、消費者がインフレ低下を予想し続ける限り、こうした困難な状況に均衡が取れた形で金融政策を運営していくことは引き続き可能になると述べた。
ムサレム氏はミネソタ経済クラブでの講演原稿で「持続的なインフレ圧力に直面した場合、金融政策を運営するにあたり物価安定を優先すべきだと考える」と述べた。
同時に、貿易を巡る協議を通して緊張が持続的に緩和していけば、労働市場の力強さが維持され、インフレ率は目標とする2%に低下する軌道から外れない可能性があると指摘。「こうしたシナリオの下では、完全雇用を目指しながらインフレ率を2%に戻すことに焦点を当てた現在の金融政策スタンスが引き続き適切になる」と述べた。
その上で、トランプ米政権が掲げる関税措置が一時的なインフレにつながる可能性と、持続的なインフレにつながる可能性は同程度あると改めて指摘。関税措置による実際の影響が明確になるまで、連邦準備理事会(FRB)は利下げを確約するべきではないとの考えを示した。