ニュース速報
ビジネス

伊藤忠、今期2.2%増益見込む 米関税でも「収益積み上げ」

2025年05月02日(金)14時39分

 伊藤忠商事は2日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比2.2%増の9000億円になるとの見通しを発表した。写真は同社のロゴ、2016年11月に東京で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

Kentaro Okasaka

[東京 2日 ロイター] - 伊藤忠商事は2日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比2.2%増の9000億円になるとの見通しを発表した。実現すれば2年連続での過去最高益更新となる。IBESがまとめたアナリスト10人の予想平均値8992億円と同水準。

石井敬太社長は決算会見で「米関税による景気悪化リスクを織り込んだ上で収益を積み上げ、投資の成果を確実に刈り取り、このような環境下であっても着実な利益成長を図っていきたい」と語った。

石井社長は、複数の国が複雑に絡み合うサプライチェーン(供給網)に与える関税影響は広範囲に及ぶため「今後行われる各国との関税交渉の着地点をまずはよく見極め、対応していきたい」とした。ただ「インパクトは今想像してるよりも大きくはならないのではないか」との見方を示した。

鉢村剛副社長は「関税の積み上げ以上にセンチメントの悪化による景気全体のスローダウンのインパクトの方が大きい」と指摘。新型コロナウイルス禍で経済活動が停滞した際の基礎収益の減少割合6.8%を参考に、今回は5%ほどの減少を織り込んだと説明した。

純利益予想には、タイのチャロン・ポカパン(CP)グループとの相互株式持ち合い解消に伴うCPポカパンの株式売却益880億円も含まれる。

発行済み株式の2.0%に当たる2800万株・1500億円を上限に自社株買いを決議したことも発表した。期間は5月7日から12月31日まで。これとは別に、さらに200億円の自社株買いを計画しているという。

同時に発表した25年3月期の連結純利益は同9.8%増の8802億円だった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米雇用統計、4月予想上回る17.7万人増 失業率4

ワールド

ドイツ情報機関、極右政党AfDを「過激派」に指定

ビジネス

ユーロ圏CPI、4月はサービス上昇でコア加速 6月

ワールド

ガザ支援の民間船舶に無人機攻撃、NGOはイスラエル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中