ニュース速報
ビジネス

アングル:全米で広がる反マスク行動 「#テスラたたきつぶせ」

2025年03月07日(金)11時49分

3月6日、 第2次トランプ米政権で新設の政府効率化省(DOGE)を率い、連邦政府職員の大がかりな解雇の陣頭指揮を執るイーロン・マスク氏に対し、国内で抗議行動「テスラ・テイクダウン(テスラたたきつぶせ)」が広がり始めている。写真は1日、ニューヨークのテスラ店舗内でマスク氏に抗議する人々(2025年 ロイター/Eduardo Munoz)

Helen Coster

[ニューヨーク 6日 ロイター] - 第2次トランプ米政権で新設の政府効率化省(DOGE)を率い、連邦政府職員の大がかりな解雇の陣頭指揮を執るイーロン・マスク氏に対し、国内で抗議行動「テスラ・テイクダウン(テスラたたきつぶせ)」が広がり始めている。

抗議者らは、選挙で選ばれたわけでもないマスク氏がDOGEを盾に権限を乱用し、自身の事業に有利な状況に持ち込もうという利益相反の恐れを挙げる。マスク氏は電気自動車(EV)最大手テスラの最高経営責任者(CEO)。テスラに今、怒りの矛先が向かっている。

「テスラ・テイクダウン」は行動を呼びかける同名サイトが発祥。サイトは「全てのテスラ販売店店頭で行動を起こそう。テスラを売れ、株を手放せ、ピケットラインに加われ」とげきを飛ばす。インスタグラムやX(旧ツイッター)でも「テスラ・テイクダウン」はナチスドイツのかぎ十字「スワスティカ」とともにハッシュタグ(検索目印)となっている。

西部オレゴン州ポートランドのテスラ車販売店前でデモを展開した公務員のキャロライン・フライさん(38)は「私たちはテスラを『有毒ブランド』にしなければいけない」と話した。自身が住む州の退職年金制度にテスラ株の売却を求めており、「一番効果があるのはイーロンに打撃を与えられる経済的手段は何でも仕かけることだ」と言い切った。

昨年12月時点でマスク氏はテスラの発行済株式の12.8%を保有しており、今月5日終値で換算すると約1147億ドルに相当する。

テスラ車のドライバーの中には、売却しようしているのに反マスク派の見知らぬ人たちから嫌がらせを受けることがある。ワシントン州ウォーリングフォードのライナー・エッカートさん(69)はテスラ車を6年前に購入したが、売却収入を慈善団体に寄付するつもりだ。

エッカートさんは今、自分のテスラ車に「彼が嫌な奴だと皆が知る前に買った」と書いたステッカーを車に貼っている。それでも見知らぬ人が「ナチスの車」と書き殴った紙を1日に3回も貼り付けられてしまう。

DOGEに関連した各種抗議活動も激しさを増しつつあり、1日には全国の国立公園で数千人が集まって怒りの声を上げた。

マスク氏の政治活動がテスラ車販売にどの程度影響が及んでいるのか判断するのは難しい。昨年は年間販売台数が初めて前年割れとなったが、アナリストらは中国メーカーや米ゼネラル・モーターズ(GM)などとの競争激化を要因に挙げている。株価は昨年12月17日に過去最高値を更新した後、大幅に落ち込んだものの、時価総額は約9000億ドルとみられ、世界の自動車メーカーを圧倒している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独VW、28年末までにコスト20%削減を計画=独誌

ビジネス

高市首相と会談、植田日銀総裁「一般的な経済・金融情

ビジネス

地盤ネットHD、井村氏が代表の会社と投資機能活用な

ワールド

タイ経済成長率、25年2.4% 今年予想1.5─2
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 4
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 9
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 10
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中