ニュース速報
ビジネス

中国株の風向き変化、強気論相次ぐ 「テリフィックテン」に注目

2025年02月18日(火)20時17分

2月18日、アナリストが相次いで中国株に対する強気論を展開している。写真は上海で2022年2月撮影(2025年 ロイター/Aly Song)

[シンガポール 18日 ロイター] - アナリストが相次いで中国株に対する強気論を展開している。

BofA証券は、配当の増加や保険会社からの投資流入による長期的な追い風が最近の上昇の背景にあり、持続的な買い局面を促す可能性があるとして、「取引可能」から「投資可能」へのシフトが進行しているかもしれないとした。

アナリストは17日付のノートで「中国に対する基本的な投資テーゼは改善しつつあるとわれわれは考えている」と述べた。

ゴールドマン・サックスは、AI(人工知能)の導入が利益の伸びを押し上げ、2000億ドルの資金流入をもたらす可能性があるとして、中国株価指数の目標値を引き上げた。

シティのアナリストは、中国の習近平国家主席がアリババ共同創業者の馬雲(ジャック・マー)氏らハイテク企業のリーダーと面会したことについて、明確な政策行動はなかったとしても「支持的な姿勢を確認した」と指摘。マッコーリーは、信頼感を高めることを目的とした親ビジネス的なシフトとの認識を示した。

<テリフィック・テン>

中国株に対するムードの変化は、低コストで高性能という触れ込みの中国の生成AI「ディープシーク」の登場や、中国が米国の大規模制裁を受けていないことへの安堵感も寄与している。

こうした中、米国の「マグニフィセント・セブン」の向こうを張る形の中国の有力ハイテク株グループ「テリフィック・テン」が注目を集めている。

テリフィック・テンは、電子商取引大手のアリババ、京東集団(JDドットコム)、自動車メーカーの吉利、比亜迪(BYD)、ハイテク複合企業の小米科技、インターネットサービスの騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、網易、検索エンジン運営の百度(バイドゥ)、食品宅配の美団、半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)を指す。

「中国のテリフィック・テンはまさにマグニフィセント・セブンを圧倒している」とウィズダムツリー・アセット・マネジメントの株式戦略責任者ジェフ・ウェニガー氏はXに投稿。「その動きは半年前に始まったが、気づいている人はほとんどいない」と述べた。

ブローカーは、株価を押し上げているのは主に逃げ足が速いヘッジファンドや個人投資家だと警告する。しかし、ポジションがあまりに薄いことから、さらなる上昇の可能性もあるとみる向きも多い。

JPモルガンは17日付のメモで「AI絡みの中国インターネット関連株上昇がいつまで続くか予測するのは難しいが、このトレンドは1カ月以上続くと確信する」とし、「米国株式市場でのAIブームは2年にわたり着実に進展し、その間に『マグ7』の平均株価は256%上昇した」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中