ニュース速報

ビジネス

米銀の預金「比較的安定」、インフレ「なお高すぎる」=リッチモンド連銀総裁

2023年03月31日(金)03時17分

米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、米銀の預金は「比較的安定」しているとの見方を示した。2019年、ダラスで撮影(2023年 ロイター/Ann Saphir/File Photo)

[リッチモンド(米バージニア州) 30日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は30日、米銀の預金は「比較的安定」しているとの見方を示した。物価情勢については、インフレはなお高すぎるとし、低下するには予想以上に時間がかかると述べた。

バーキン総裁は講演原稿で「全ての銀行破綻が(金融危機発生のきっかけとなった)リーマン・ブラザーズ(の破綻)のようになるわけではないと覚えておく必要がある」とし、解決しなければならない問題を抱えている銀行はあるものの、流動性確保に取り組んでいるとし、「レジリエンス(強靭性)」に勇気づけられたと述べた。

FRBの金融政策については、FRBが「このところのデータの力強さと、銀行システムに起因する脆弱性の折り合いをつける」ことに取り組んでいる間は「機敏」に対応し、選択肢を排除しない姿勢を表明。5月2─3日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが必要になると考えているかについては明らかにしなかった。

シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの経営破綻を受け、銀行が予想以上に信用を引き締め、FRBの金融引き締め策の影響と相まって「比較的早くインフレ率が低下する」可能性もあると指摘。ただ、こうしたことが実際に起きるか、現時点では判断できないとした。

同時に、企業はこれまで市場シェアを守るために値上げを控えてきたが、ここにきて値上げに踏み切る勇気が出ているとし、インフレ率が現在の水準からFRBが目標とする2%に戻るのに時間がかかる複数の理由があるとも述べた。

また、柔軟な勤務形態によって都心のオフィスの空室率が上昇する可能性がある中で、商業用不動産の価値に「現実的なリスク」があるが、銀行が融資した商業用不動産の価値が下落しても「それに耐えられるだけの十分な資本がシステム内にある」と述べた。

バーキン総裁は今年、FOMCで投票権を持っていない。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債権者、返済猶予延長承認し不履行回避 

ビジネス

ロシアの対中ガス輸出、今年は25%増 欧州市場の穴

ビジネス

ECB、必要なら再び行動の用意=スロバキア中銀総裁

ワールド

ロシア、ウクライナ全土掌握の野心否定 米情報機関の
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 10
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中