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北米の債券運用業界団体、AT1無価値化で提訴せず=関係者

3月23日、米国とカナダの有力債券運用機関でつくる業界団体「ザ・クレジット・ラウンドテーブル」は、クレディ・スイスが発行した劣後債の一種「AT1債」が価値ゼロにされる問題で、訴訟を起こさないことを決めた。写真は20日、ロンドンのクレディ・スイス店舗で撮影(2023年 ロイター/Hannah McKay)
[トロント 23日 ロイター] - 米国とカナダの有力債券運用機関でつくる業界団体「ザ・クレジット・ラウンドテーブル」は、クレディ・スイスが発行した劣後債の一種「AT1債」が価値ゼロにされる問題で、訴訟を起こさないことを決めた。事情に詳しい関係者が23日、ロイターに明かした。
スイス当局は、経営危機に瀕したクレディ・スイスをUBSが救済合併するに当たり、クレディ・スイスのAT1債を無価値にして投資家に損失を負担させる方針を決定している。
これに関して一部のAT1保有者は提訴の意向を示しているが、ザ・クレジット・ラウンドテーブルは訴訟に動かないという。
関係者は、この種の債券は情勢悪化時に償却されて価値がなくなる旨が常に明記されており、それを知らずに買ったのだとすれば己の不明を恥じるしかなく、知っていて買ったならそういう事態になったということだと説明した。
ザ・クレジット・ラウンドテーブルには、パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)やバンガード、メットライフ、カナダの年金基金、サン・ライフ・ファイナンシャルなど43の運用機関が加盟している。それぞれの運用機関が独自に訴訟を起こすのは妨げられないとみられる。