ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反落、欧米の金融システム不安再燃で 金融株が安い

2023年03月23日(木)11時58分

午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比66円24銭安の2万7400円37銭と、反落した。写真は東証、2020年10月撮影(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 23日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比66円24銭安の2万7400円37銭と、反落した。欧米の金融システム不安が再燃し、米国で主要3指数が下落したことから、東京市場でも金融株を中心に売られた。為替が前日の取引時間中と比べ円高となっていることも、自動車などの輸出関連株の重しとなった。

日経平均は233円安でスタート。その後は、指数寄与度の大きい半導体関連銘柄への買いや米株先物の上昇などが支えとなり、前引けにかけて徐々に下げ幅を縮小した。

前日の米国市場では、イエレン財務長官が、連邦預金保険公社(FDIC)の預金保険対象を全ての預金に拡大することは検討されていないと述べたことで、金融株が下落し、主要3指数がそろって大幅下落した。この流れを受け、東京市場でも銀行や保険などの金融セクターを中心に売りが優勢となった。ドル/円相場が円高に振れていることで、輸出関連銘柄もさえなかった。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は想定通りだったが、前日のイエレン氏の発言が市場の重しとなった」と指摘。金融システム不安を巡っては、日本に直接的な影響はないとの見方を示しつつも、「銀行の貸し出し態度の悪化などが日本に波及する可能性はあり、投資家心理を冷やしている側面がある」(上野氏)という。同氏は、しばらくは2万7000円台で推移する公算が高いとみている。

TOPIXは0.44%安の1954.33ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆2446億9400万円だった。東証33業種では、ゴム製品やサービス業、空運業など11業種が値上がり。医薬品や銀行業、保険業など22業種は値下がりした。

個別では、みずほフィナンシャルグループは1.1%安、三井住友フィナンシャルグループが1.3%安、東京海上ホールディングスが0.7%安となった。主力のトヨタ自動車も小安かった。

指数寄与度の大きい東京エレクトロンは1.5%高、アドバンテストは2%高と、半導体関連銘柄の一角が堅調に推移した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが703銘柄(38%)、値下がりが1036銘柄(56%)、変わらずが97銘柄(5%)だった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官

ビジネス

中国、自動車下取りに補助金 需要喚起へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中