ニュース速報

ビジネス

米FRB理事が月内利上げ強く示唆、「経済想定通りなら適切」

2017年06月02日(金)02時01分

 6月1日、米FRBのパウエル理事は、より正常な政策運営へと緩やかに戻る必要があるとの認識を表明した。写真はワシントンで2012年12月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル理事は1日、米経済は健全であり、FRBは10年近くにわたる異例の金融緩和から、より正常な政策運営へと緩やかに戻る必要があるとの認識を表明した。

足元ではインフレが鈍化しているものの、今月の利上げを強く示唆した発言とみられている。

理事は「最近の労働市場の動向は一段と速いペースでの引き締めを正当化する可能性があるが、インフレは2%の目標を5年間下回って推移しており目標への歩みも鈍く、とりわけ進ちょくが減速、または停滞すれば継続的な忍耐強さが必要」と述べた。

その上で「経済がほぼ想定通りに進展すれば、緩やかな利上げを続けることが適切だと考える」とした。今月13─14日の会合には言及しなかった。

理事はその後出演したCNBCのインタビューで、3月の利上げを含め、年内は3度の利上げを想定していると述べた。「あと数回、基本的に計3度になると見ている」とした。

緩やかに上昇していたインフレは、一時的な要因により「小休止したもよう」だが、「インフレが再び緩やかに加速すると見込む十分な理由がある」と指摘。経済はFRBの目標にかなり近づいているとの認識を示した。

バランスシート縮小の年内開始計画を巡っては、これまでの市場の反応は限定的とし、実際に縮小が始まっても大きく反応する公算は小さいとの見方を示した。

「仮に再投資政策の変更が想定以上の金融引き締めをもたらせば、FRBはこれを勘案すると予想する」とし、その場合には利上げを遅らせる可能性があると示唆した。

バランスシートの規模は、数年をかけて最終的に2兆4000億━2兆9000億ドル程度まで縮小する可能性があるとの研究結果に触れた。CNBCに対しては、2兆5000億ドルの水準を下回るとは見込んでいないと述べている。

トランプ米大統領が掲げる減税については、現時点で何らかの形で実施され、来年の米経済に影響を与えると暫定的に予想していると述べた。だが、時期や規模については「かなり不確実性が高い」とし、FRBは現時点で見通しを変更すべきではないと話した。

またCNBCのインタビューで、FRB内で他の役職に就く可能性についてはコメントしなかった。

*内容と写真を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、15日にトルコで直接協議提案 ゼレンス

ビジネス

ECBは利下げ停止すべきとシュナーベル氏、インフレ

ビジネス

FRB、関税の影響が明確になるまで利下げにコミット

ワールド

インドとパキスタン、停戦合意から一夜明け小康 トラ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 8
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中