ニュース速報

ビジネス

官民ファンドで投資誘致、20年めどに100カ所で観光地経営

2016年03月04日(金)19時26分

 3月4日、政府は、未来投資に向けた官民対話を開催し、地方の課題として観光立国を目指した投資に力を入れることを議論した。写真は中国人旅行者。都内で2月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 4日 ロイター] - 政府は4日、未来投資に向けた官民対話を開催し、地方の課題として観光立国を目指した投資に力を入れることを議論した。政府では2020年をめどに全国に100カ所程度で観光地経営を行う事業体(日本版DMO)を設置し、各地域の魅力や特性を知ってもらい、投資呼び込み地域を活性化する狙い。資金は官民ファンドで10億円以上の規模を活用することを念頭に置く。

会議では農業法人から農業活性化提案、星野リゾートなど事業者から観光立国への提案をヒアリング。経団連からも有給取得を3日程度増やして観光活性化につなげる取り組みが提案された。環境省からは国立公園を活用して外国人をひきつける具体的なプロジェクトを16年度中に策定する旨の取り組みが示された。国土交通省からは、ホテル経営人材や観光経営の人材育成プログラムの取り組みなどを、年度内をめどに観光ビジョン構想会議のとりまとめに反映することが示された。

一方、生産性革命に向けた取り組みも議論され、600兆円経済の達成に向けてサービス分野の生産性向上が必要との認識のもと、政府では20年までに生産性を10%引き上げる方針を策定。

そのために、中小企業を対象に上限500万円の補助金制度も設けるほか、金融機関からの融資に対する信用保証枠も2倍に引き上げる。

医療分野の生産性向上に向けては、患者が医療機関と自分の医療情報を共有できるよう、厚生労働省から全国規模のネットワークを整備することが示されたほか、医療データベース連結のためのIDを20年までに整備する取り組みが報告された。

安倍晋三首相は会議であらためて企業側に賃上げを強く要請。「2度あることは3度ある。過去2年の大幅賃上げの流れをさらに進めていただきたい」と語った。

*内容を追加しました。

(中川泉)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ市の学校・市場を攻撃 少なくとも

ワールド

ドイツ国防相、600億ユーロ超への国防予算増額目指

ワールド

インドがパキスタンの「テロ拠点」攻撃、26人死亡 

ワールド

ウクライナに「テロの傾向」、モスクワ無人機攻撃で=
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    分かり合えなかったあの兄を、一刻も早く持ち運べる…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    「欧州のリーダー」として再浮上? イギリスが存在感…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    首都は3日で陥落できるはずが...「プーチンの大誤算…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中