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ドル上昇、週間で5月以来の高い伸び=NY市場

2015年07月18日(土)08時07分

 7月17日、ニューヨーク外為市場は、ドルが上昇、週間の上げ幅が5月以来の大きさとなった。写真はドルやユーロ紙幣。ソフィアで3月撮影(2015年 ロイター/Stoyan Nenov)

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 17日のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇し、週間の上げ幅が5月以来の大きさとなった。米消費者物価や住宅関連指標が堅調で、連邦準備理事会(FRB)の年内利上げ観測を後押しした。

取引終盤、ドルの主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.20%高。週間では2%近く上昇し、5月22日終了週以来の高い伸びを記録した。

この日発表された6月の消費者物価指数(CPI)は5カ月連続のプラスとなった。また、6月の米住宅着工件数が大きく回復、許可件数もおよそ8年ぶりの高水準となった。

市場では、9月の利上げ開始を見込む声が大勢を占める。

ユーロは0.25%安の1.0850ドルと、5月27日以来の安値水準。週間では2%超下落した。市場の関心が、ギリシャ危機から米経済のファンダメンタルズにシフトしたことが背景。

トレーダーやストラテジストの大半は、欧米金融政策の格差を踏まえ、今後もユーロ安が続くと予想する。今後1年で1ユーロが1ドルを割り込むとの見方も少なくない。

RBCキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル責任者、アダム・コール氏は「関心が米国の金利サイクルに移りつつあり、市場では9月利上げが確実視されてはいないものの、引き続き可能性は見込まれている」と述べた。そのうえで「今後はドルの上昇が主因となり、ユーロ安基調となる」との見通しを示した。

英ポンドはユーロに対し、一時7年半ぶりの高値となる0.6992ポンドをつけた。イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁が、利上げ時期の決定について、年末ごろにかけてより明確になるとの見方を示したことが材料視された。

ドルは対円で約0.1%下落して124円をやや下回った。一時、1カ月ぶり高値となる124.235円をつける場面もあった。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、来週は米指標の発表が落ち着くこともあり、アウトパフォームしてきたドルに利益確定の売りが出やすくなる可能性があると予想した。

ドル/円    終値   124.07/08

始値   123.98/03

前営業日終値   124.12/14

ユーロ/ドル  終値   1.0828/30

始値   1.0879/80

前営業日終値   1.0874/76

ロイター
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