コラム

韓国でもお一人様文化定着 旅行、ご飯も一人が気楽?

2017年09月18日(月)15時27分



「"孤独がいい"...一人で旅行する"ホンヘン族"急増」というYTNのニュース (c) YTN / YouTube

Nポ世代が就職に成功すると、今度は「YOLO」にはまるようだ。You Only Live Once(人生は一度きり)の略字で2016年あたりから米国で流行り始めた言葉。韓国でもSNS経由で輸入され、「未来に備えるより今を楽しもう」というライフスタイルをYOLOと言っている。

Nポ世代は、がんばっても報われず、仕方なく色々なことをあきらめてきた世代だからか、経済力を手に入れると、これからはいつどうなるかわからない未来のために我慢して貯金するより、一度きりの人生だから人の目を気にせず今を幸せに生きようとするのかもしれない。

それに現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権は勤労基準法を改訂し、週52時間しか働けないようにする方針だ。有給休暇も全部消化できるようにする。現在は残業込み週68時間まで働ける。失業対策のためか、一人が長時間労働するより、短時間労働者をたくさん雇う方向へ導こうとしている。残業ができないと収入が減るので困ると反発する声もあるが、テレビや新聞のインタビューに登場するNポ世代は、「仕事もそこそこ、人生もそこそこ楽しみたいから残業禁止がいい」と話す人が多かった。

Nポ世代に影響されたのか、私の周りの30〜50代もSNSにハッシュタグ#YOLOをつけて家族を置いて一人で海外旅行を楽しんだ写真や、一人ご飯の写真をやたらと載せるようになった。一人で何かを楽しむのがおしゃれだと思う人も結構いるようだ。今年は9月30日から10月9日まで10日の連休がある。政府が国内観光活性化と消費活性化を狙い公休日の間の平日を臨時公休日に指定したからだ。韓国では「黄金連休」と呼ばれる10日間ホンヘンがまた増えそうだ。

【参考記事】飛行機での出張はVR導入でどれだけ快適になる?

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:米スタバ、中国で安値合戦に直面 デフレ心

ビジネス

過去の債券買い入れ、利上げ効果弱めた可能性=シュナ

ワールド

タイ内閣、33.4億ドルの予算増額を承認 経済対策

ビジネス

基調的インフレ指標、4月は全指標で前年比伸び率2%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 2

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 5

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 6

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 7

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 8

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 9

    台湾を威嚇する中国になぜかべったり、国民党は共産…

  • 10

    トランプ&米共和党、「捕まえて殺す」流儀への謎の執…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 5

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story