コラム

「国らしい国を作る」韓国・文在寅大統領に期待高まる

2017年05月18日(木)10時37分
「国らしい国を作る」韓国・文在寅大統領に期待高まる

国民と共に 仁川空港を訪れた文在寅大統領は、通りがかった市民のセルフィーの求めに応じた Stringer- REUTERS

<文在寅(ムン・ジェイン)が韓国の大統領に就任して1週間。9年ぶりの革新系大統領の誕生に対して韓国国民の期待が高いのは、朴槿惠前大統領によって停滞した国政の再起動ということ以上に、国民自らが能動的に政治に関わるようになった時代の大統領という意味があるようだ>

韓国に新しい大統領が誕生した。罷免された朴前大統領を擁護する保守派と改革を望む進歩派と中 道派に分かれ15人の候補(そのうち2人は辞退)が繰り広げた選挙レースの結果、文在寅大統領が圧倒的な支持で当選した。韓国社会世論研究所が5月10日19歳以上男女1044人を対象に行った世論調査では、回答者の83.8%が「文大統領が国政をうまくやっていくと期待している」と答えた。

文大統領は選挙運動期間中、「原則と常識が通じる国らしい国を作る」、「完全に新しい韓国を作る」、「国民のための国を作る」と公約した。朴前大統領とその友人が国政に介入、私利のために国の政策を牛耳り、国の経済と外交、安全を破たんさせたとして国民が立ち上がり朴前大統領を罷免して政権交代を望んだ。この流れから、文大統領はマスコミのインタビューで、「国民がどんな気持ちで氷点下のソウルでろうそく集会に参加し続けたのか、それを忘れない」と何度も繰り返していた。

文大統領は「国民のための大統領になりたい」という人らしく、選挙運動期間中も当選後も、警護は最小限に止め、自ら市民に近づいて話を聞いたり、セルフィーに応じたり、握手したり、「脱権威」的な姿を見せた。文大統領は韓国人が憧れるがなかなかなれない「外柔内剛」を実践する人で、いつも謙遜でやさしい笑顔を忘れないが、不正腐敗勢力には容赦ない一面も持っている。

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

ニュース速報

ワールド

米つなぎ予算が失効、政府機関が一部閉鎖 上院で合意

ビジネス

米政府機関閉鎖、トリプルA格付けに直接影響せず=フ

ワールド

米軍、中露との競争が最優先事項 対テロから方針転換

ビジネス

米国株は消費関連株主導で反発、S&Pとナスダックは

MAGAZINE

特集:トランプ暴露本 政権崩壊の序章

2018-1・23号(1/16発売)

予想を超えて米政治を揺さぶるトランプ暴露本──。明かされた大統領の「難点」は政権崩壊の引き金となるか

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    日本の2社しか作れない、世界の航空業界を左右する新素材

  • 2

    フィンテックの台頭でお堅い銀行が様変わり

  • 3

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせた理由

  • 4

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 5

    世界の「日本人ジョーク」に表れる、安倍首相の際立…

  • 6

    自ら考える部下の育て方は「日本一オーラのない監督…

  • 7

    アメリカの「政府機関閉鎖」と「債務上限問題」の基…

  • 8

    「地球の気温は250度まで上昇し硫酸の雨が降る」ホー…

  • 9

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 10

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワンを予想

  • 3

    日本の2社しか作れない、世界の航空業界を左右する新素材

  • 4

    子ども13人を劣悪な環境で監禁拷問した両親を逮捕 …

  • 5

    ダイアナが泣きついても女王は助けなかった 没後20…

  • 6

    暴落を予言?バフェットが仮想通貨に冷や水を浴びせ…

  • 7

    「休みたいから診断書をください」--現役精神科医「…

  • 8

    ウディ・アレン「小児性愛」疑惑を実の息子が告発

  • 9

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 10

    インドの女子大生がレイプ防止パンティを開発

  • 1

    北朝鮮による電磁パルス攻撃の現実味

  • 2

    [動画]クジラがサメの襲撃から人間を救った

  • 3

    決断が日本より早い中国、でも「プチ大躍進」が悲劇を生んでいる

  • 4

    朝鮮半島で戦争が起きれば、中国とロシアはアメリカ…

  • 5

    韓国大統領が中国で受けた、名ばかりの「国賓待遇」

  • 6

    ビットコインや株は大暴落か 2018年ブラックスワン…

  • 7

    ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

  • 8

    金正恩がアメリカを憎悪するもっともな理由

  • 9

    中国当局、韓国への団体旅行を再び禁止 「禁韓令」…

  • 10

    南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に…

日本再発見 シーズン2
デジタル/プリントメディア広告セールス部員募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!