コラム

韓国スマホ専用銀行kakaobankが大人気 口座急増の理由はフィンテック

2017年10月13日(金)16時20分

kakaobankはメッセンジャーアプリKakaoTalkと連携して使う

<ネット先進国の韓国だが、意外にもネット銀行は今年4月に第1号が誕生したばかり。ところがこの7月からネットベンチャー大手がネット銀行に進出、急速に契約数を伸ばしている。その秘密とは?>

7月27日営業開始したスマホ専用銀行kakaobankが、韓国で爆発的な人気を誇っている。営業開始から1ヵ月の8月27日午前7時時点で口座数は307万件突破、チェックカード(日本でいうデビットカード)発行件数は216万枚、預金1兆9580億ウォン(約1960億円)、融資1兆4090億ウォン(約1410億円)を記録。営業開始2カ月目の9月27日時点ではペースダウンしたものの、口座数390万、チェックカード発行280万枚、預金3兆1200億ウォン(3,072億円)、融資2兆5000億ウォン(2,462億円)と順調に規模を拡大している。

韓国の大手銀行が提供するモバイルバンキングアプリ経由で開設した非対面口座数(銀行の窓口に行かずスマホ経由で書類を提出して口座を開設した数)は2016年の1年間15万5000件しかなかったことを考えると、1ヵ月で307万件はすごい数字である。また、韓国最大手銀行KB(国民銀行)が2017年1月から8月11日まで行った個人融資は1兆900億ウォンで、それを超える金額をkakaobankは1ヵ月で融資した。kakaobankより一足早くスマホ専用銀行第1号として営業を開始したKBANKはここまで旋風を巻き起こせなかった。

kakaobankは実店舗がなくアプリとATMを使ってすべての業務を行う銀行である。kakaobankのアプリをインストールして個人情報を入力し、写真付き身分証をカメラで撮影して本人確認する。開設したkakaobankの口座にKAKAOから1ウォンが振り込まれ、振り込んだ人の名前を表示するところにキーワードが書かれていて、このキーワードをkakaobankのアプリにもう一度入力すると本人確認完了。すぐ口座を利用できる。平均で5分、遅くても10分ほどで口座を開設できる。ログインは指紋認証やスマホのパターン認証も利用できる。

プロフィール

趙 章恩

韓国ソウル生まれ。韓国梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学修士、東京大学大学院学際情報学府博士課程。KDDI総研特別研究員。NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「日経ビジネス」「日経パソコン(日経BP)」「日経デジタルヘルス」「週刊エコノミスト」「リセマム」「日本デジタルコンテンツ白書」等に連載中。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。

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国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

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