最新記事

自己啓発

無気力症だった韓国の人気イラストレーター「キラキラしたSNSを見ないで」

2020年06月22日(月)16時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

『怠けてるのではなく、充電中です。』171ページより

<テレワークの普及で、ストレスや無気力感、不安感を抱える人が増えている。でも、そんなあなたは怠けているのではなく、充電中なだけ。人気イラストレーター、ダンシングスネイルによる「がんばらない」生き方のヒント>

「テレワークうつ」なんて言葉まで生まれた昨今。テレワークの普及によって、時間や場所にとらわれない自由な働き方が注目されているが、逆にストレスを抱える人も増えている。

「仕事とプライベートのメリハリがなくなる」「外出の機会が減る」「他者とのコミュニケーションが不足する」「生活リズムが崩れて昼夜が逆転する」といった理由から、仕事のペースや精神のバランスを崩す人が多いのだ。

なかでも、仕事を真面目に頑張る人ほどストレスに感じやすいのが、目に見える結果として成果を出さなければならないというプレッシャーだ。

「あいつは怠けている」などと後ろ指をさされないよう気を張り続けることによるストレスから、無気力状態や、うつ傾向を発症するケースも珍しくないという。

しかし、書籍『怠けてるのではなく、充電中です。』(生田美保訳、CCCメディアハウス)の著者、ダンシングスネイルはこう言う。


無気力はストレス状況に見舞われたときに現れる反応であって、病気ではない。だから、絶対に大丈夫になると信じることをいつも忘れないで。(『怠けてるのではなく、充電中です。』3ページより)

韓国人であるダンシングスネイルは、日本でも翻訳刊行されている『死にたいけどトッポッキは食べたい』(ペク・セヒ著、山口ミル訳、光文社)ほか、韓国で数々のベストセラー書籍の表紙や挿絵を手掛ける人気イラストレーターだ。

彼女自身、長いあいだ無気力症、うつ、不安症を患い、「私だけがおかしいのか」と自問する日々の中、自分自身をなぐさめ、心の中の思いを吐きだそうという極めて個人的な理由から、絵を描き、文章を書き始めたそうだ。

そしてこのたび、「あなただけじゃないから大丈夫」という励ましのメッセージを送るため、初のエッセイ『怠けてるのではなく、充電中です。』を上梓した。「こんな風に生きていて大丈夫だろうか」と不安に襲われたとき、気分を少し軽くしてくれる、彼女なりの心の持ち方が描かれた一冊だ。


すでに自分に出せる力の最大値まで使ってしまったなら、当然電池切れになることもある。だから、もし自分がぶらぶらしているだけの役立たずのように感じる日があったとしても、自分を責め過ぎないようにしよう。休むときは罪悪感を持たずにしっかり休んでこそ、充電したエネルギーで明日も生きていくことができるのだから。(『怠けてるのではなく、充電中です。』273ページより)

何もできないときこそ、私たちには「充電」が必要だと彼女は言う。

肩の力が抜けたイラストと短編エッセイが40篇ほど収録された本書から、一部を抜粋し、2回にわたって掲載する(次のページ)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米特使がガザ訪問、援助活動を視察 「食料届ける計画

ビジネス

ドル・米株大幅安、雇用統計が予想下回る

ビジネス

米労働市場おおむね均衡、FRB金利据え置き決定に自

ビジネス

米7月雇用7.3万人増、予想以上に伸び鈍化 過去2
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 3

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 4

    脳裏にこびりつく生々しい証言 少女を食い物にした…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 5

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 4

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 5

    「指を入れるのが好きじゃない」...フランス発ベスト…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:トランプ関税15%の衝撃

特集:トランプ関税15%の衝撃

2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か