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配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本の技術も止められない韓国ソウルの道路崩壊

2026年1月28日(水)14時20分
佐々木和義
ソウル市で発生した道路の陥没事故現場

ソウル市で発生した縦20メートル、深さ20メートルの陥没事故現場 연합뉴스 Yonhapnews / YouTube

<埼玉県八潮市の道路陥没事故から2カ月後、ソウルでも配達ライダーが陥没に飲み込まれ死亡していた>

2025年1月28日、埼玉県八潮市の県道で突然深さ10メートルの陥没が発生してトラックが落下し、運転手の男性が亡くなる事故があった。下水管の破損が原因とみられるが、事故から1年が経過した今も修復作業が続いている。そして韓国でも同様の道路などの陥没事故がたびたび起きている。

配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴

八潮市の道路陥没事故から2カ月後の3月24日午後6時半頃、ソウル市江東区明逸洞(カンドングミョンイルドン)の大明小学校交差点近くの道路で陥没事故が発生した。韓国ではこうした陥没事故について「シンクホール」と呼ぶ。このときの陥没は6車線道の4車線にわたる横18メートル、縦20メートル、深さ20メートルに達する規模だった。

陥没の瞬間に通過したSUV 車の運転手は軽傷を負って病院に運ばれたが、後続のオートバイが落下。運転していたライダーは翌25日午前11時20分ごろ死亡した状態で見つかった。ライダーは2018年に父親を事故で亡くして以降、母と妹の家生活を支えるため、午後5時の退勤後、配達の副業をしていたという。事故現場から250メートルの漢栄外国語高校は事故翌日の25日を休校とし、当面通学には地下鉄を利用するようすべての生徒に指示をした。

事故当時、シンクホールの地中深くで地下鉄工事が行われており、5~6人の作業員が水漏れを見て脱出したことから水道管が破裂したとみられている。

2日に1件の頻度で発生――予測不可能なシンクホールの恐怖

江東区陥没事故の半年前の24年8月29日には、都心に近い西大門区延禧洞(ソデムングヨニドン)で発生したシンクホールに自動車がはまって2人が重傷を負う事故が起きている。

韓国国土交通部によると2019年から2023年の5年間に発生したシンクホールは957件に上っている。2日に1件の割合だが、シンクホールにカウントされない亀裂もある。上述のライダーが亡くなった3月25日の午前中にも現場近くで小さな穴が見つかっており、陥没事故は復旧を終えた1時間後のことだった。

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