アメリカは「ろくな役割を果たしていない」のか?――ガザ戦争が変えた中東の地図
Israel Unbound
アメリカはまだこの幻想にしがみついているが、その破綻は今回のガザ戦争で明らかになった。そもそもイスラエルは、自国の安全が経済同盟や地域統合で守られるとは考えていない。
周辺諸国との交渉による政治的決着に期待してもいない。目指すのは軍事力の優越を利して、あらゆる脅威を消し去ることだ。
当然、周辺諸国は安心していられない。アメリカがブレーキをかけない限り、イスラエルは今の勢いでヨルダン川西岸とガザ地区を強引に併合し、そこに暮らす大勢のパレスチナ人を国外に追放しかねない。
しかし、それでイスラエル国家の長期的な安全を確保できるわけではない。新たに大量のパレスチナ難民を受け入れた周辺のアラブ諸国は不安定化し、一段とイスラエルへの敵意を燃やすことだろう。
イランの脅威は薄れているが
イランはタコの頭であり、その8本の足でユダヤ国家を締め付けてくる。
そう信じるイスラエルは6月にイラン本土を攻撃。空爆で多数のイラン軍幹部を殺害し、核施設にもダメージを与えた。その後には米軍が地下深くの核施設に爆弾を投下し、イランの核開発計画を完全に葬り去ろうとした。





