【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライナに「降伏」――それでも「和平」と呼べるのか?
Don’t Call This a “Peace Plan”
3月のキール世界経済研究所の報告書によると、その支援総額は欧州諸国のGDP総額のわずか0.1%だった。2024年以降の米国支援の減少分を補うには、ほぼ倍の0.21%に増やす必要があると指摘されている。
欧州諸国が管理下に置く約2000億ドルの凍結ロシア資産の活用を決断すれば、さらに多くの資金を捻出できる。
欧州諸国はこの選択に消極的だったが、ウクライナに広大な領土の割譲を求め、NATO加盟の道を閉ざし、さらに軍事力の大幅な削減を強いるトランプ政権版「和平案」を突き付けられた今は、いよいよ凍結資産の活用に踏み切る可能性がある。
もちろん状況は厳しい。それでもこれだけは言える。軍事的な劣勢は明らかだが、ウクライナには今も(トランプの好きな言葉を使えば)取引に使える「カード」がたくさんある。
対ウクライナ支援を大幅に削減したことで、アメリカの影響力は低下している。今のウクライナは、かつてほどにアメリカに依存していない。
そうである以上、ウクライナが米ロ両国の勝手な、しかもプーチンの談話を翻訳しただけのような提案を受け入れる理由はない。





