海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドローン「グレイシャーク」とは
ドイツ北部で試験に乗り出したグレイシャーク FRANK MOLTERーDPAーREUTERS
<海底ケーブルへの脅威や探知困難な潜水艦を発見できる水中ドローン(無人機)が、欧州北部に位置するバルト海で実証試験段階に入っている>
自律型無人潜水機グレイシャークを開発したのは、ドイツ企業のユーロアトラスとエボロジックスだ。
高耐久性モデル(最大連続稼働時間16週間)と、より航続距離が短いバッテリー駆動モデル(同5.5日間)がある。コスト効率が高く、海底インフラ保護か、潜水艦探知かを自律的に選択可能で、既に欧州2カ国が購入を決めたという。
バルト海では近年、海底ケーブルやパイプラインの不審な損傷が相次ぐ。犯人の特定は難しいが、バルト海沿岸国のうち唯一、NATOに非加盟のロシアはハイブリッド戦争の達人だと指摘されている。
世界のデータ通信の95%以上を担う海底ケーブルは、いわば日常生活の基盤だ。グレイシャークなら、海底ケーブルやパイプラインの変化を2平方センチレベルで検知できると、開発元は本誌に語る。






