トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」

The Dollar Is Sinking: Here's Why

2025年7月8日(火)18時37分
ヒュー・キャメロン

通商面では、トランプは4月2日をアメリカに対する搾取からの「解放の日」として国別の相互関税リストを発表。一週間後には90日間の一時停止を発表して各国と交渉を続けてきたが、その期限も9日に迫っている。

これまでにアメリカと合意に達した国はごく一部で、この3カ月の猶予期間中に合意に至らなかった国・地域に対しては、4月2日に発表したよりさらに高い関税を課す可能性があると政権は示唆している。

本誌の取材に応じた専門家らは、こうしたさまざまな経済的要因の複合的な影響が財政見通しと最近のドル安に影響していると強調した。

米シラキュース大学のライアン・モナーク教授(経済学)は、「ドルの価値が下落している原因は、世界の投資家たちが、アメリカがマクロ経済の成長や金融システムの安定を継続できるのか不安を感じ始めているからだ」と指摘した。

「極端に高い関税をはじめとする最近の政策や米政府債務の増加、インフレへの懸念などが組み合わさって、ドル安を引き起こしている」

かつてFRB(米連邦準備理事会)の国際金融部門で主席エコノミストを務めていたモナークはさらに、FRBが景気刺激のために利下げに踏み切る見通しであることも「ドル建て資産への需要の低下、ひいてはドルのさらなる価値下落につながっている」と述べた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財務長官「最終的に利下げ必要」、コアインフレ低下

ビジネス

インフレリスクに注視、エネ高騰の影響見極めへ=グリ

ワールド

中国は「信頼できないパートナー」、戦時下の石油買い

ワールド

米、イラン産原油海上輸送の制裁免除措置を終了へ=当
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍の海上封鎖に中国が抗議、中国タンカーとの衝突リスク高まる
  • 2
    高さ330メートルの絶景と恐怖 「世界一高い屋外エレベーター」とは
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ…
  • 5
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 6
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 8
    トランプを批判する「アメリカ出身のローマ教皇」レ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中