トランプ関税で歳入増、「連邦所得税の廃止も可能」と主張
Trump's Tariffs Are Starting to Bring in Revenue
連邦政府は、前会計年度に2.4兆ドル以上の所得税を徴収した。1カ月あたり160億ドルという現在の関税収入の水準で所得税収に取って代わるためには、150カ月分、あるいは12年分以上が必要になる。
ホワイトハウスは、90日間発動を一時停止している高率の相互関税を盾に、今後は他の国々から貿易上の譲歩を引き出すことになると、楽観的な姿勢を保ち続けているが、交渉が具体的にどのように進められるのかははっきりしない。
だが「解放の日」のトランプ関税が発効した4月9日以降、アメリカの関税収入は実際に増加し始めた。
4月の関税収入は前年同月比で135%増加し、前月比でも83%増えている。
それでも、関税収入は「非常に高額なものになる」というトランプの主張にはまだまだ及ばない。
トランプは4月14日、大統領執務室で行われた会見で、「今や我々は、(関税で)毎日30億ドルを稼いでいる」と豪語した。しかし公式データによると、1日あたりの税収は」、平均9億1800万ドルにとどまっている。
連邦政府が歳入増を享受する一方で、より広範な経済の見通しは暗いままだ。トランプ政権は、新たな貿易政策によってゆくゆくは連邦所得税の廃止も可能になると主張しているが、エコノミストや市場アナリストは懐疑的だ。