最新記事
移民

「隠れ場所はない」トランプ政権、教会や学校での移民逮捕を可能に...「避難所消滅の危機」と支援団体が警鐘

Trump Administration Will Allow Migrant Arrests at Churches, Schools

2025年1月22日(水)15時30分
ゲイブ・ウィズナント

この方針転換により、移民支援団体は懸念を示している。彼らは、医療や子どもたちの教育といった不可欠なサービスを求めることを、書類上の問題を抱えた移民たちがためらう可能性があると主張している。

トランプ氏の初任期中、彼は保護地域に関するガイドラインを維持したものの、裁判所での移民の取締りを制限する類似の保護措置を撤廃した。その後、バイデン政権はこれらのガイドラインを復活させ、さらに拡大する形でICEやCBPの活動範囲を制限した。しかし、今回のトランプ氏の決定はこれらの取り組みを無効化し、学校や教会での移民の取締りを再び可能にしている。

全国の学校や教会では、移民コミュニティを守ることへの強い姿勢を示している。例えば、カリフォルニア州のフレズノ統一学区は、裁判所の命令がない限り、学校敷地内での移民取締りを許可しない方針を再確認した。同様に、シカゴ公立学区も、犯罪令状がない限りICE職員の学校立ち入りを認めないという決議を可決している。

歴史的に、教会はICEの逮捕を避ける移民たちにとって「避難所」として機能してきた。チャーチ・ワールドサービスによると、トランプ氏が2017年に大統領に就任して以来、少なくとも51件の事例で、個人が教会に避難していることが確認されている。

国土安全保障省は1月21日の声明で以下のように述べている。

「この行動により、CBPやICEの勇敢な職員たちは、我が国の移民法を執行し、殺人犯や強姦犯といった犯罪外国人を逮捕する力を得た。犯罪者たちは、逮捕を避けるためにアメリカの学校や教会に隠れることができなくなるだろう」

一方で、法と社会政策研究センター(CLASP:Center for Law and Social Policy)の暫定事務局長であるオリビア・ゴールデン氏は、AP通信に対し次のように述べた。

「この措置は、移民家族やその子どもたち、特にアメリカ市民である子どもたちに壊滅的な影響を与える可能性があります。医療を受けること、災害救援を求めること、学校に通うこと、日常の活動を行うことをためらわせるでしょう」

「こうした場所付近でのICEの存在が日常化すれば、子どもたちが親の拘束や逮捕、ICE職員との遭遇を目撃する可能性も高まります。」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、内需拡大へ金融支援強化へ 過剰生産と消

ビジネス

中国SMIC、第4四半期は60.7%増益 予想上回

ビジネス

米関税、ユーロ圏物価を下押し 利下げで相殺可能=E

ビジネス

フランス産ワイン・蒸留酒輸出、貿易摩擦の影響で3年
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 10
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中