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ウクライナ侵攻によるロシア兵の死者は11万5000〜16万人に、兵士を「使い捨てる」ロシア軍の残酷物語

War the Russian Way

2024年12月16日(月)13時29分
アレクセイ・コバリョフ(ジャーナリスト)

ロシア国内の民族浄化

実際、ウクライナ戦争はロシアの人口構成を変えている。莫大な数の戦死者は、ブリヤート人やタタール人、トゥバ人など非ロシア系住民に著しく偏っているのだ。

政府指導部にしてみれば当然の措置とも言える。

ロシア系エリートが多く住むモスクワやサンクトペテルブルクで積極的に徴兵を行い、その多くを使い捨てにしたりすれば、体制を揺るがす政情不安をもたらしかねない。


このため、より貧しく、民族的に非ロシア系住民がより多い地方で大量の若者が戦争に取られている。

また、受刑者も前線の最も血なまぐさいエリアに続々と送られており、ロシアの刑務所は事実上空っぽだとされる。

しかも、ロシアの優生政策はミートグラインダー戦術で完了ではない。この作戦によって失われた人口を、ロシアはウクライナ人によって埋め合わせている。

今回の戦争が始まって以来、大量のウクライナ人がロシア国内に移送されている。その多くは女性と子供だ。また、ウクライナの占領地にはロシア人が続々と入植している。

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