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荒川河畔の「原住民」⑪

元自衛官、米軍特殊部隊員...海外に別荘を持つ「大金持ち」からホームレスになった波乱万丈人生

2024年11月13日(水)19時55分
文・写真:趙海成

建設業へ...「先見の明」と勤勉さのおかげで事業は成功

兄貴はその時期、主に東京都内の警察や建設関係の仕事をやっていた。例えば、都内の道路標識を古いものから新しいものに交替する作業などを多くしたという。

完全に「自由の身」になってからは他のいろいろな仕事もやった。80年代の日本経済は躍進し、建築業は先行きが明るいと思ってそれを選んだ。

まず建築現場の労働者から始まり、頑張って多くの建築業界の免許を獲得した。その後、兄貴は請負業者になり、自分の会社を設立し、建設省(現・国土交通省)から受けた建築と道路舗装などの仕事が多かった。

直接に依頼される工事もあれば、間接的な依頼の工事もある。有名な大手建築会社からも多くの仕事をもらったことがあるという。

彼の話によると、当時は昼夜を問わずに仕事をしていた。昼は工事現場の監督をし、夜はオフィスで各種書類を作り、寝る時間はほとんどなかった。

仕事はとても大変だったが、勤勉で、稼いだ金はたっぷりあった。当時、彼が自分で決めた月給は330万円だったらしい。雇っていた労働者に対しても、決してけちをつけず、彼らに他の派遣会社よりも高い給料を払ったそうだ。

贅沢三昧の日々...それも束の間、波乱の展開に

兄貴はこのように大金を稼いだ後、贅沢三昧で放蕩な生活を始めた。

釣りが好きで、釣りの腕はプロ並みだ。彼はニュージーランドで開催されたある釣り大会に出場した。参加費用が30万円かかり、いろんな無人島を回って釣りをやるという、金持ちしかできないゲームだった。

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