最新記事
ロシア経済

中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界がロシアを見放しつつある

Russia Abandoned by Allies as US Tightens Sanctions Noose

2024年4月10日(水)18時52分
イザベル・バンブルーゲン

ロイターは事情に詳しい銀行・貿易関係者8人の発言を引用し、中国、UAE、トルコの多くの銀行がアメリカからの圧力に警戒を強めていると伝えた。ある情報筋によると、12月のバイデン大統領令によって、銀行や企業は「アメリカの二次制裁の脅威が現実のものである」ことを認識したという。

2人の情報筋によると、UAEではファースト・アブダビ銀行(FAB)とドバイ・イスラム銀行(DIB)が、ロシア製品の取引に関連する口座をいくつか凍結した。UAEのマシュレク銀行、トルコのジラート銀行とバキフ銀行、中国工商銀行、中国銀行は決済処理こそ続けているものの、大幅な遅延が発生していると、4人の情報筋がロイターに語った。

ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は最近の記者会見で、中国の銀行の処理遅延を認め、「中華人民共和国に対するアメリカとEUからの前例のない圧力が続いている」と述べた。

「もちろん、これは一定の問題を引き起こすが、(中国との)貿易・経済関係のさらなる発展の障害にはならない」とペスコフは語った。

ワシントンのシンクタンク、ウィルソン・センターは2月に発表した報告書で、「制裁による圧力が高まり、ロシア経済に影響を与えている」と指摘した。「ロシア経済の健全性に対する懸念が再燃している。それで最近の国内の弾圧強化と支出増大の説明がつくだろう」

「経済制裁には否定的な意見もあるが、対ロ制裁は機能している。時間をかけ、圧力をしっかりかけることで、ロシア経済にさらに大きな影響が出るはずだ」と報告書は付け加えた。

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米軍、太平洋側で「麻薬船」攻撃 14人殺害=国防長

ワールド

トランプ氏、FRB議長をあらためて非難 後任候補に

ビジネス

アップル、時価総額4兆ドル突破 好調なiPhone

ビジネス

アングル:米財務省声明は円安けん制か、戸惑う市場 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 7
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 8
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 9
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中