最新記事
印パ

インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパキスタン国内で最大20件発生か

2024年4月17日(水)19時49分
マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター南アジア研究所長)
超法規的殺人は真実か、モディが沈黙する訳

総選挙ではモディ(中央)の3選が確実視される ANI PHOTOーREUTERS

<インド政府が首謀する超法規的な「テロリスト」殺害が2020年以降、パキスタン国内で最大20件発生──4月初旬、英紙ガーディアンがそんな疑惑を報じた。超法規的殺人は真実か、モディが沈黙する訳とは

だが、4月19日に始まる総選挙を控えたインドのモディ首相と与党・インド人民党(BJP)にとって、これは意外な贈り物だろう。敵対国パキスタンへの強硬姿勢のアピールは政治的得点になる。

19年2月、パキスタンを拠点とする過激派組織ジャイシェ・ムハマド(ムハマドの軍隊)が、カシミール地方のインド支配地域でインド治安部隊員40人以上を殺害した際、インドは報復措置としてパキスタン国内を空爆。

事件は同年の総選挙の焦点になり、BJPの圧勝につながった。以来、インドは強硬路線の対パキスタン政策を維持している。

本音の表れか、今回の報道についてインド側は沈黙状態だ。とはいえ高い支持率と弱い野党のおかげで、モディの3期目続投はほぼ確実。これ以上の「宣伝」は不要だろう。

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

モデルナ、日本でのmRNA工場建設中止 「ビジネス

ビジネス

トランプ氏、パウエルFRB議長非難で理事会も批判 

ワールド

対ロ和平交渉に「さらなる勢い」必要=ゼレンスキー氏

ビジネス

中国、25年レアアース生産枠を公式発表なく各社に通
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 5
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 6
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中