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パレスチナ

イスラエルにもハマスにも「停戦の意欲」なし...そこで不可欠となる、和平の「4条件」

Four Conditions to End the War

2024年3月15日(金)18時00分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

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南部のラファで食料を受け取るために集まった住民 IBRAHEEM ABU MUSTAFAーREUTERS

ただし、現段階でバイデン政権がイスラエル批判の姿勢を強めているとは言えない。

副大統領のハリスがバイデンよりも「強い口調」で「即時停戦」を求めたという報道もあるが、それは違う。確かにハリスは「直ちに少なくとも6週間の停戦」を求めたが、最初にその提案をしたのはイスラエル側であり、「交渉に応じる責任はハマス側にある」とも彼女は明言している。

しかし、今後はイスラエルへの圧力を強める局面もありそうだ。ネタニヤフはガザ地区を今後10年ほど、イスラエル軍の管理下に置く意向を表明しているが、そんなことは誰も──周辺諸国もアメリカも──望んでいない。

実際、バイデン政権はイスラエルの自衛権を認めつつも、「過剰な」報復は控えるよう圧力をかけてきた。一方、周辺のアラブ諸国がハマスに自制を求める気配はない。

そもそもスンニ派の大国エジプトやサウジアラビアはパレスチナ人の運命に無関心で、ハマスのような過激派には嫌悪感すら抱いていた。バーレーンやアラブ首長国連邦も同様、パレスチナ問題には目をつぶってもイスラエルとの「関係正常化」を目指してきた。全ては共通の敵であるシーア派の大国イランに対抗するためだった。

しかし今回の戦争で思惑が外れた。とりわけカタールの立ち位置は微妙だ。この国は一貫して、絶妙なバランス感覚で生きてきた。欧米の石油会社を受け入れ、米軍の基地も受け入れているが、ハマスに対する最大の支援国でもある。武器や資金を与え、ハマス政治部の指導者に豪奢な邸宅を用意してもいる。

対してバイデン政権が望むのは、停戦が6週間を超えて続き、1人でも多くの人質が解放され、もっと多くの人道支援物資が運び込まれ、さらにパレスチナ問題の恒久的な解決につながるような機運が生まれることだ。

だが今のところ、その可能性は低い。イスラエル紙ハーレツによれば停戦交渉は「決裂寸前」だ。

ハマスは完全な停戦とイスラエル軍の撤退を求め、南部への退避を強いられたガザ地区住民が北部に戻れることを人質解放の条件としている。とてもイスラエル側ののめる条件ではない。軍隊を引けばハマスの戦闘員は堂々と北部に戻るだろうし、人質が解放される保証もない。

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