最新記事
東南アジア

「カワイイおじさん」インドネシア新大統領プラボウォの黒すぎる過去とその正体

A Cute Man’s Dark Past

2024年2月19日(月)17時26分
ジョゼフ・ラッチマン

240227p36_IDN_02s.jpg

プラボウォとギブランのイラストを掲げる若い有権者 KIM KYUNG-HOONーREUTERS/AFLO

ソーシャルメディアでは、プラボウォがぎこちなく踊ったり、ネコをなでたりする画像や、ピクサー映画に出てくるようなソフトなおじさんのイラストが大量に拡散された。

これが過去を知らない若い有権者に大いにウケた。

14日にジャカルタのスタジアムに来ていた理系の大学生ファウザン・ディスマスも、プラボウォは「タフ」だから好きだと語った。

過去の人権侵害やスハルトとの関係について聞いても、「生まれる前のことだからよく知らない」と言葉を濁すだけだった。

では、インドネシアではこれから何が起きるのか。

国際的には、中立を守る伝統的な外交姿勢に大きな変化はないだろう。

だが、内政面では、民主主義が衰退している懸念のほか、プラボウォとジョコの同盟がいつまで続くかという不安もある。

選挙期間中こそインフラ整備や天然資源の輸出制限、そして首都移転計画の維持など、ジョコ路線の踏襲を声高に約束したプラボウォだが、基本的に移り気なことで知られる。

しかも、何十年にもわたり権力を握る強い野心を持ち続け、何度選挙に負けても挑戦を続けてきた。

そんな男が、いつまでも前任者の陰に隠れていることに満足するだろうか。

高齢のプラボウォには、健康不安説もある。

万が一のことがあったら、ビジネスでまあまあの成功を収めた経験はあるが、政治的には何もかもお膳立てされた仕事しかしたことのない若者の手に、人口が世界第3位の民主主義国の運命が託されることになる。

プラボウォとジョコの息子のどちらの政治のほうが不安が大きいか、インドネシアのベテラン官僚たちも考えあぐねているようだ。

From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 習近平独裁の未来
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月17号(2月10日発売)は「習近平独裁の未来」特集。軍ナンバー2の粛清劇は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」強化の始まりか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

メルセデス、25年は57%減益 関税や中国の競争響

ビジネス

ネクソン、発行済株式の4.4%の自己株を消却

ビジネス

中国、価格競争抑制へ自動車業界向けガイドライン

ワールド

米・イラン、核協議で柔軟姿勢 米は濃縮一部容認の用
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中