最新記事
ドローン戦争

ロシアのドローンをウクライナの地上ドローンが牽引、ドローン戦争の新たな地平

Video Shows Ukrainian Ground Drone Dragging Off Captured Russian UAV

2024年2月8日(木)14時20分
エリー・クック

ウクライナ軍の地上ドローン MYKHAILO FEDOROV/X

<ドローン戦争の最新フロンティアというべき地上ドローン(無人地上車両)の怖さ>

ウクライナ軍の地上ドローン(無人地上車両)が、墜落したロシア軍の無人偵察機を牽引している様子とみられる新たな動画が、ソーシャルメディアに掲載された。ロシアの本格侵攻から丸2年、ウクライナ軍は地上を走行し戦闘もする無人車両の投入を強化しており、ドローン戦争の新たなフロンティアを思わせる動画だ。

【動画】ロシアのドローンをウクライナの地上ドローンが牽引

2月5日にソーシャルメディアに共有された動画には、ウクライナ軍の地上ドローンが、ロシア軍の無人偵察機「オルラン30」とみられる物体を牽引している様子が捉えられている。撮影場所は特定されていない。この動画は当初、ロシアとウクライナ両国の装備が被った損害を記録しているテレグラムのアカウントに掲載された。

 

オルラン30は、ロシアの無人偵察機「オルラン10」を大型化したバージョンで、ロシア国営メディアでは、「標的の探索と特定に重要な役割を果たす」と謳われている。

このショート動画の出所は、ウクライナの国家警察とされているが、最近ここから公開された動画には見当たらない。

機関銃装備の地上ドローンも

ウクライナは、無人機技術の開発に重点的に取り組んでいる。同国の無人水上艇(無人艇)や無人航空機(無人機)は、黒海沿岸のロシアの軍事施設や軍艦を標的にしたり、国境を超えてロシア領に侵入するなど、メディアでも頻繁に取り上げられる。

一方でウクライナ政府は、地上ドローンの開発にも抜かりなく取り組んできた。地上ドローンは幅広い任務の遂行が可能で、ウクライナ軍の兵士の代わりに危険な場所に行くこともできるという利点がある。

ウクライナは2023年、「ロボット軍」計画も明かしている。これは、上空で任務を行う「ドローン軍」と併置する形で、地上戦を担うロボット車両部隊を開発する取り組みだ。

ウクライナにおけるドローン開発の中心でデジタルトランスフォーメーション担当大臣のミハイロ・フェドロフは2023年9月中旬、ウクライナ政府が地上ドローン「Ironclad(アイアンクラッド)」を、前線での戦闘ミッションでテストしていると明かしていた。この地上ドローンは機関銃を装備しており、偵察任務に加えて火力も提供する、とフェドロフは声明で述べた。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中