最新記事
ウクライナ情勢

主攻はこれから?ウクライナが主力戦車「レオパルト2」大整列の動画を公開

Ukraine Shows Off Fleet of Leopard Tanks in Rebuke to Russia

2023年9月4日(月)16時11分
エリー・クック

レオパルド2PL戦車の行進(8月15日、ポーランドのワルシャワ) REUTERS/Kacper Pempel

<西側から供与された戦車の「健在ぶり」を誇示、ロシアが言うような大きな損害は受けていないと主張>

【動画】ゼレンスキーがいちばん欲しい最強戦車(独レオパルト2、米エイブラムス)

ロシアに対するウクライナ軍の反転攻勢が始まって4カ月。ウクライナ当局は、「ウクライナは大きな軍事的損失を被っている」とするロシアの主張を一蹴し、ドイツから供与された世界最強の主力戦車の一つ、レオパルト2をズラリと並べた映像を公開した。

「ロシア国防省の日報に出てくるレオパルト2戦車の破壊数は、ウクライナ陸軍で稼働するレオパルト2A4の数とまるでつじつまが合わない」と、ウクライナ国防省は9月2日、ソーシャルメディアのX(元ツイッター)に投稿した。

ウクライナ国防省はまた、ウクライナ国旗を掲げて並ぶレオパルト2の動画も公開。陸軍第33独立機械化旅団の一部だという。

ドイツは3月下旬、ウクライナがロシアの堅い守りを破るのに最も効果的と友好国や専門家の意見が一致したレオパルト2を供与した。

だが、6月初めに反転攻勢を始めてしばらくして、ウクライナは供与されたレオパルト2を出し惜しみするようになったと囁かれ始めた。

地雷原と塹壕を超えて

ウクライナ軍は6月「レオパルト2を使って攻めようとしたが、ロシアが作った地雷原に阻まれた」と、英ロンドン大学キングズ・カレッジの特別研究員、マリーナ・ミロンは以前、本誌に対し語っていた。「これはウクライナ軍にとって苦い教訓だった」

オランダの軍事情報サイト、オリックスによれば、ウクライナは7両のレオパルト2A4を失った。もっと新型のレオパルト2A6も9両、失っているという。これはあくまで写真で確認できた台数であり、実際にはもっと多い可能性もある。一方で、その後修理して使えるようになった車両がある可能性もあるという。

だが9月2日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍は前進しており、ロシア軍の塹壕に隠れた兵士たちや守りの堅い陣地にも負けず反攻を続けていると述べた。

ウクライナ政府の発表によると、ウクライナ軍は南部ザポリージャ州で地雷原と塹壕で守られたロシア軍の第一防衛線を突破して進軍し始めたという。

「ウクライナ軍は前進を続けている」とゼレンスキーは投稿した。「あらゆる状況にもかかわらず、また誰が何を言おうと、われわれは前進しており、それが最も重要なことだ」

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比4.3%増 民間航空
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中