最新記事
チベット

ダライ・ラマ謝罪、少年の唇にキスし「私の舌を吸って」──性的虐待と批判浴びる

What Full Video of Dalai Lama Kissing Boy Reveals

2023年4月11日(火)17時55分
ジョン・フェン

これは少年のトラウマになる? The Mirror/YouTube

<チベット仏教の最高指導者にあるまじき「おふざけ」が大炎上>

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は4月10日、ソーシャルメディア上で拡散された動画について、謝罪する声明を発表した。少年の唇にキスをしたうえで舌を突き出し、「私の舌を吸って」と促す動画だ。

ダライ・ラマは、事務所を通じて以下のような声明を発表した。「猊下(げいか)は、少年とその家族、そして世界中の多くの友人を、自分の言葉で傷つけたかもしれないことについて、謝罪したいと望んでいる」「猊下は、公の場やカメラの前でも、無邪気な遊び心で人をからかうことがよくある。今回の件について後悔している」

この動画は2月28日、米国営放送局「ボイス・オブ・アメリカ」のチベット支局が放送したもの。ダライ・ラマがインド北部のダラムサラ郊外にあるマクロード・ガンジの寺院で、インドの不動産会社M3Mの支援で大学を卒業した100人ほどと交流する様子が映されていた。

ある少年がダライ・ラマに抱擁を求めると、ダライ・ラマは少年に対して自分の頬にキスするよう求め、少年の唇にキスし、「私の舌を吸って」と発言した。少年は舌を突き出したように見えるが、両者は額を触れ合わせて離れ、観衆からの喝采に笑い合った。

これは性的虐待だ

ダライ・ラマは少年に対して、「平和と幸福を創る善人たちに目を向けなければいけないよ」と語った。「常にほかの人を殺している悪人たちに付いて行ってはいけない」

2分の動画の最後に、少年はうなずき、両者はもういちど抱擁した。その後、ダライ・ラマが少年をくすぐったように見え、ふたりは笑い声をあげた。

ツイッターなどのソーシャルメディアのユーザーは、これとは別の20秒の動画を拡散し、これは子どもに対する性的虐待だとダライ・ラマを非難している。長いほうの動画に反応した人たちも、この行為は不適切だと述べている。

現在87歳のダライ・ラマは、中国がチベットを併合した後の蜂起(チベット動乱)に失敗、1959年からインドで亡命生活を送っている。チベット仏教やチベットの言語および文化を守ろうとするダライ・ラマを、中国政府は分離主義者と見なしている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中